0日目35 ページ36
「先に必要事項はそっちで話しておいていいと伝えてあるので、多分これから行っても人狼ゲームについてやここについての説明等はされないと思います」
「俺たちもあの部屋で白布に一通り教えてもらったしな」
「おう、了解。なら俺は普通に冊子読んどきゃいいわけか」
「すいません、よろしくおねがいします。」
無人の廊下に足音と会話を響かせながら医務室を出た彼らはぞろぞろと歩いていく。やがて、扉にそのまんま食堂と書かれた部屋の前にたどり着いた。
「それでは、俺たちも参加しましょうか」
先頭を歩いていた白布がそう言って、扉のノブに手をかける。両開きの重たい扉を開けば、中にいた全員の目がこちらへ向けられた。
ここに来てから何度も感じた通りまるで高級ホテルの一室のような豪奢な食堂には、真っ白なテーブルクロスの掛けられた長机がいくつも並んでおり、部屋の壁際中央にはあの有名な名画、『最後の晩餐』のが飾られている。だが、食堂に集まっていた彼らはそんな縁起でもないような名画の正面には座らずに、端の方で法廷から持ってきたらしいホワイトボードと対面しながら会議を行っていたらしい。各校の者がまとまって机に座って並んでいる中、現在の進行役を努めているのか月島と澤村、そして孤爪だけが議論の内容が書かれたホワイトボードの前に立つ。一体何があったのか、前者二人の顔はこの場にいる誰よりも緊迫したものであった。
「白鳥沢か、丁度よかったな」
最後の参加者の登場に室内にざわめきが広がる中、最初に硬さの垣間見える声音で澤村が彼らに声をかけた。
「山形くんは、首は大丈夫なのか？」
「おう、特になにか支障があるってわけじゃねーよ」
「そうか、なら良かった」
張り詰めていた糸を一瞬緩ませて澤村は安堵の表情を浮かべる。得体の知れないこのゲームのペナルティを唯一受けた彼の容態が気になる者は他にもおり、山形のその言葉に彼らは一様にしてほっと息を漏らしていた。
「それじゃあ早速で悪いが白鳥沢も会議に参加してもらってもいいか？」
「ああ、わかった」
代表して牛島が答え、八人はスペースが空いていた稲荷崎の後ろに着席する。その様子を見届けた澤村は再び顔を引き締め、彼らに向けて説明をしだした。
「悪いが人狼ゲームやこの建物についてなどの報告は既に終わっている、ここに議事録と、そこで録音もしてるから白鳥沢は後で見てくれ。」
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星を廻せ - 中の人です。表紙作りました。人選は完全に我の趣味です。本編などには何も関係ない趣味の人選です。 (2023年3月24日 4時) (
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作者名：星を廻せ | 作成日時：2023年3月19日 7時
