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0日目19 ページ20

「うおーーーーー!!!体育館!!!バレー!!!バレーしようぜ!!!!!」
「おーい、誰かあのバカ止めろ」
「別にいいんじゃねえのほっといて、どうせ探索するだけだし」
 所変わって体育館。お馴染みの鉄の重たい両開きの扉を開き、自分たちの通うマンモス校の体育館でさえゆうに超えてしまうほどの広さのその場所に足を踏み入れた途端、梟谷学園の主将である木兎は、その役割を顧みることもなく真っ先に駆け出した。その様子を後ろからチームメイトたちが呆れた視線で眺める。木葉は止めようかとも思ったが、同級生の猿杙の言葉にそれもそうかと頷き、そのまま探索に入ることにした。
 自分たちが打ち込んでいる競技で換算するならコートは最大八面は作れることだろう。また、ここに自分たちを連れてきた者は部活のことも考慮していたのか、既に四面分ネットが張ってあった。
「施設は立派だが……、他の部屋と同様、窓が一切無いな」
「なんだかちょっと、怖いっすね……」
通常であればキャットウォークと同じ高さに全面に窓が敷かれており、夏場には籠もる熱気を逃がすため開放するのが必須である。しかし目線の先にあるのは体育館を一周するキャットウォークのみである。鷲尾の呟きに近くにいた後輩の尾長も自身の感想を漏らす。それは、彼がここで目覚めてからずっと抱いているものでもあった。
「こっち倉庫の中なんもねーわ!!」
「こっちもだめだー!」
「上も同じく!」
 それぞれ二つの体育倉庫とキャットウォークを調べていた木葉、小見、猿杙が互いにその場から大声で報告をする。木兎のお目付け役のように、どこからか持ってきたバレーボールで水を得た魚のようにサーブ練習をする彼の近くで佇んでいた赤葦は、それを聞き届けて改めて他に探索できる箇所はないか、手元の冊子に載った地図と併せて体育館内を見渡す。だがやはり、そこにあるのは広いことと窓が存在しないこと以外は何の変哲もない体育館で、これ以上ここに調べられるものはないかと彼は嘆息した。

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星を廻せ - 中の人です。表紙作りました。人選は完全に我の趣味です。本編などには何も関係ない趣味の人選です。 (2023年3月24日 4時) (レス) id: 853819a2bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星を廻せ | 作成日時:2023年3月19日 7時

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