0日目12 ページ13
三人は全ての台を手分けして調べていたのだがその全てがこの画面を表示しているだけのようだった。山口が今一度パネルに目を落とせば、その数字は26:28:24となっていた。
「やっぱこれって最初の処刑までは1日以上ある、今日は処刑は無い……ってことになるんですよね？」
「うん、それで合ってると思う」
不安げに問う山口に、石柱に取り付けられた、この位置からでも十分針を視認できるほどの大きさの掛け時計に目をやりながら縁下が答える。現在の時刻は午後5時32分、今から26時間28分後は丁度明日の夜の八時にあたる。
「これってやっぱりただのモニターってだけでタッチパネルじゃないのかな、触っても何も反応しないし」
「あ、それなんですけど、画面の右上の方に名前が書いてあるじゃないですか、」
「あ、これ？」
縁下に言われて東峰はその箇所に目を向ける。彼の言う通り53人分全てのモニターにはそれぞれの名前が記されていた。なお、今彼らの目の前に置かれた画面には花巻貴大と青葉城西の部員の名前があった。
「俺の名前が書かれていたモニターに触ったときだけ反応したんです、といっても何度タップしても『処刑時間までお待ち下さい』っていうポップアップしか出てこなかったんですけど」
「へー、個人認証みたいな機能まであるんだ」
「すごい、ハイテクですね」
縁下の説明に二人は感嘆の声を漏らす。様々なものが電子化している昨今机にモニターが取り付けられている事自体はそうそう珍しくもないのだが、さして複雑なコードも見受けられないシンプルな証言台にそのような機能が備わっていることには驚かざるを得なかった。
「これってやっぱ時間にならないと操作の仕方って分からないのかな」
「ぶっつけ本番ってなるとちょっと不安ですよね……」
「あ、ここに来る前にあの冊子斜め読みしたんですけど、たしかこれの操作の仕方も書いてあったはずです」
「そうなの？良かったぁ、さすが縁下だね」
ネガティブ二人組があいも変わらず後ろ向きな発言をするが、すぐに縁下が自身の知っている情報を伝えると彼らの表情は少し晴れたようだった。
「そこらへんも冊子組が後で教えてくれると思うので俺たちは探索に集中しましょう」
「うん、縁下の言うとおりだね。って言ってもこの証言台とモニターはもう調べるとこもないかな」
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星を廻せ - 中の人です。表紙作りました。人選は完全に我の趣味です。本編などには何も関係ない趣味の人選です。 (2023年3月24日 4時) (
レス) id: 853819a2bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星を廻せ | 作成日時：2023年3月19日 7時
