＃ ページ46
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エースさんは無事取り戻すことが出来た。
でも多分、白ひげさんはもう居ない。
己の無力が招いた結果に歯噛みするが、その事実を私に嘆いている暇など与えずにあるタイムリミットがジリジリと迫ってきていた。
それは、エースさんの彼岸花を完全に取りきること。
あの時、私は結局最後まで彼の彼岸花を取りきることは出来なかった。
揃わなかった条件の中で、膨大な呪力消費を抑えるために課されていた縛りを無視してエースさんの死の瞬間を遅らせる。
それは、想像するだけでも身震いがするものだ。
五条先生や憂太みたいに多いとは言えない私の呪力量、ましてや完璧なコンディションからは程遠かったのだから、彼岸花を取りきるだけで私が絶命する可能性は大いにあった。
結局どこまで行っても私は自分が可愛くて、例えこの世界で私の死を惜しんでくれる人などいないと分かっていても、この生に縋っていたいと思う。
だから私はエースさんの死の要因を取りきることはせず、彼に死まで一週間の猶予を与えるだけに留まった。
一体どれほど自分が寝ていたのかは分からないが、まだ彼が生きているということは意識がなかったのは数日＿＿早く花を摘むのに越したことはないのだが。
数分も待たずに戻ってきたホンゴウさんに顔を上げれば、彼は何故か申し訳なさそうに笑って傍の椅子に腰かけた。
私がその様子を不思議に思っていると、続くようにして開け放たれた扉。
入ってきたのは、精悍な顔付きの男性。
細身の体についているであろう鍛えられた筋肉が薄い布地から分かった。
撫でつけられた赤髪と、顔に付いた三本の傷が、彼をどうしようもなく海賊へと仕立てあげていて。真っ黒な力強い意志を宿した瞳がこちらを射抜いた瞬間、体にぞわりと悪寒が走った。
五条先生を前にした時に感じるのと同じプレッシャー。
びりびりと肌を焼くようなその圧に、急速に自分の喉が渇いていくのを感じた。
相手の一挙一動から目が逸らせない。
目を逸らしたら負けで、殺される。
目前の男には、相手にそう思わせる何かがあった。
「＿＿目が覚めたか」
低く耳朶を打つ声は、耳馴染みがいい。
愛想のいい笑みを浮かべる彼だが、それでも尚圧倒的強者を前に私は身を守るように体を固めた。
「俺はシャンクス。
この船＿＿赤髪海賊団の船長だ」
ダメだ。私はこの人に勝てない。
ゆっくりと私を見定めるように細められた視線に、ただ息を飲むことしかできなかった。
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なぎしば(プロフ) - 改革さん» ご指摘ありがとうございます。確認したところ訂正すべき箇所が分からなかったのですが、具体的にどのセリフか教えて頂けますでしょうか？ (4月20日 0時) (
レス) id: 520c46c8a4 (このIDを非表示/違反報告)
改革 - 三話の一方通行って話の中のセリフがおかしかったです。 (4月18日 9時) (レス) id: bf669bb16c (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 作者さんの素晴らしい語彙力で、戦闘シーンの緊張感などリアリティ満載の作品が楽しめました！とっても面白いです、ありがとうございました。 (2月25日 10時) (レス) @page33 id: 991a92c757 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしば(プロフ) - わたあめさん» 感想を頂けてとても嬉しいです！更新頑張りますので、これからも飽きずにお付き合い頂けたら幸いです！ (5月14日 16時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 凄く面白かったです！テスト前なのに一気見しちゃいました笑更新頑張ってください！！ (2023年5月11日 0時) (レス) id: ddaf0618b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なぎしば | 作成日時：2023年2月7日 17時
