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「…六眼(ソレ)があるなら、先生が虎杖の呪力の流れ見てやれば良かったじゃないですか」

「はっきり見えてるなら悟の方が改善点は見つけやすいだろうしな」

「だって皆Aに教わった方が嬉しいでしょ?」

「しゃけ」

「即答されるとそれはそれで傷つくなぁ〜」




いつの間にやら目隠しをしていた五条は伏黒の指摘に首を傾げる。

しかし直ぐにポケットに手を突っ込むと、今までの気持ちの悪い笑みとは違う、優しい表情をその端正な顔に称えた。




「同級生が停学で独りぼっちだったからね、なるべくみんなとの時間は取ってあげたかったんだ」

「…」

「それにあの子、君たちのこと大好きだしね!

今頃悠仁と野薔薇に頼まれて顔には出さなくても内心喜びに踊り狂ってるんじゃない?」




伏黒はケラケラと笑う五条を見て視線を落とした。



後輩と時間を共有させてあげたいというのは、五条の教育理念にある《何人たりとも若人から青春を取り上げる権利は無い》、それに基づいてるが、Aに対しての態度は今まで少しだけ違和感があった。

今でこそ見えないものの、Aの名を口に出す度に目に現れる温度、まるでそれは、庇護欲のような__愛おしいなにかに、なんでも与えてしまう時のような、危険な欲求と同等に見えた。


が、元から何を考えているか分からない男だ、例え五条が抱くその気持ちが禁忌だとしても伏黒はそれを断言することはできないし、行動に移されても止めることはできないのだろう。



ただただ、こんなクズに好かれてしまった不憫な先輩を伏黒は憐れみ、制服の中で振動した携帯を取り出す。




「誰からだ?」

「覗きは良くないですよ、パンダ先輩。

…虎杖からです」

「の割にはすぐ見せるんだな」

「まあ見られて困る会話はしてないんで」




照らし出された液晶画面には、虎杖からの「見て見て!」というメッセージと。




「…んだこれ」

「おかか」

「…Aが呪力で動かした…トランプの竜か?」

「やっぱ器用だね〜、A!」

「………嬉しかったんですね」

それぞれの役割→←▶



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なぎしば(プロフ) - 改革さん» ご指摘ありがとうございます。確認したところ訂正すべき箇所が分からなかったのですが、具体的にどのセリフか教えて頂けますでしょうか? (4月20日 0時) (レス) id: 520c46c8a4 (このIDを非表示/違反報告)
改革 - 三話の一方通行って話の中のセリフがおかしかったです。 (4月18日 9時) (レス) id: bf669bb16c (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 作者さんの素晴らしい語彙力で、戦闘シーンの緊張感などリアリティ満載の作品が楽しめました!とっても面白いです、ありがとうございました。 (2月25日 10時) (レス) @page33 id: 991a92c757 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしば(プロフ) - わたあめさん» 感想を頂けてとても嬉しいです!更新頑張りますので、これからも飽きずにお付き合い頂けたら幸いです! (5月14日 16時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 凄く面白かったです!テスト前なのに一気見しちゃいました笑更新頑張ってください!! (2023年5月11日 0時) (レス) id: ddaf0618b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なぎしば | 作成日時:2023年2月7日 17時

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