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「あのね、Aがなんで特級なのかわかる?」
「件の器だからだろ?」
「うん、勿論それもあるんだけどね。
その理屈で行くと、悠仁だって特級になっちゃうでしょ?」
「あー、言われてみれば確かに」
「じゃ、それ以外にも理由があんのか?」
真希の質問に五条は今度は指を四本立てた。
白い肌に見合わぬ無骨な男らしい指先はゆっくりと曲げられていく。
「一つは、件の器ってこと。
二つ目は、あの子の術式。
月待家初代当主と同じものだから、上はそれを警戒してる。
それで、三つ目は僕の教え子だってこと。
ま、これは理由言わなくてもわかるよね」
「ほとんどとばっちりじゃねーか」
思ったよりA本人が理由で危険視されていたわけではなかった。
むしろ理由が理由なために不憫な気すらする。
苦労してんな…と誰もがこの場にいないAを哀れんだところで、五条は「最後に」と一拍置いてから最後に残っていた小指を曲げた。
「あの子には、センスがありすぎたってことだね」
「センス??」
「それって呪術師としての?」
「それは君たちも同じだよ、でもAはそれ以上の別物さ」
五条のうっすらと色付いた桃色の唇は弧を描き、シュル、と微かな布の擦れる音をさせて彼は目隠しを下ろした。
顕になった白い睫毛に縁取られた碧の双眸は人を惹きつける宝石で、常日頃五条を貶している生徒たちでさえ一瞬目を奪われた。
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なぎしば(プロフ) - 改革さん» ご指摘ありがとうございます。確認したところ訂正すべき箇所が分からなかったのですが、具体的にどのセリフか教えて頂けますでしょうか? (4月20日 0時) (レス) id: 520c46c8a4 (このIDを非表示/違反報告)
改革 - 三話の一方通行って話の中のセリフがおかしかったです。 (4月18日 9時) (レス) id: bf669bb16c (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 作者さんの素晴らしい語彙力で、戦闘シーンの緊張感などリアリティ満載の作品が楽しめました!とっても面白いです、ありがとうございました。 (2月25日 10時) (レス) @page33 id: 991a92c757 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしば(プロフ) - わたあめさん» 感想を頂けてとても嬉しいです!更新頑張りますので、これからも飽きずにお付き合い頂けたら幸いです! (5月14日 16時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 凄く面白かったです!テスト前なのに一気見しちゃいました笑更新頑張ってください!! (2023年5月11日 0時) (レス) id: ddaf0618b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なぎしば | 作成日時:2023年2月7日 17時