笑顔のキミが好き 【百】 26 （完結）

年始用の収録　〜百side〜 ページ10

「さて、女優さんがこの番組にゲスト出演することは、少ないんだけど･･･っていうかさ、Aってぶっちゃけバラエティ初めてだよね！？」

『そうそう。お手柔らかにお願いね。』
「初めて出演した感想は？この番組見たことある？」

『そりゃあるよ。だからかな？いつも見てるから、緊張しにくいというか、違和感ない。』
「えっ！？ユキ見ても緊張しない！？超ハイパーイケメンダーリンでしょ！？」
『え〜？緊張しないよ。っていうか百、5年以上メンバーやってるのに、まだ緊張するの？慣れるでしょ？』
「慣れない慣れない！･･･って、ユキ！？肩組まないで！ドキ ドキしちゃう！」

ユキがオレの肩に腕を回して、カメラに向けて微笑む。

それを皮切りに、過去の出演作品やユキの主演ドラマ、Aが映画に出る話をした。

『番宣は最後でしょ！？』
「え？でもA、番宣も出たことないじゃん。今回台本もないから、番宣がどこでされんのか知らないでしょ？」

そう、今回は台本がない。
歌う曲以外は決まってない。
スタッフもヤス=Aだと知らないから、際どい質問とかには興味津々の顔をしているのが分かった。

『え？でも普通、ゲストが帰る時･･･』
百「普通ね、普通。」
『え？』

Aがキョトンとした。
いつものAなら、オレらが普通じゃないって言うから、これは効くはず。

『え？』

Aが不安そうにスタッフを見ると、ユキが吹き出してしまった。
Aがソファから立つ。

『！！あー！騙したの！？やっぱ帰る時じゃん！』

「くく･･･A･･･凄い目が点だった･･･」
「ユキが笑うから怒られちゃったじゃんかあ･･･」
「モモが引っかけたからだろ。」

『どっちも！２人共普通じゃないから騙された！』

「オレ普通だよ？」
「僕はイケメンダーリンだからね。･･･モモの。」

「きゃー！モモちゃん照れちゃう〜！ユキ〜！」
「モ･･･」
『じゃあ番宣も終わったから帰って良いですか。』
「「ダメ。」」

即答してAを見ると、楽しそうに笑ってる。

･･････良かった。
ヤスだと、こんなに表情を出せない。

「ユキと一連のヤツさせてよー。」
『見飽きてるけど。』
「いやん。事務所でも、やってるってバラしちゃイヤ〜」
「僕らはいつでもラブラブだからね。」
『え？ノーマルじゃなかったの？』
「「ノーマルだよ！」」

テレビだけど今までと違う。
Aだけど、表情が全部出んのが違う。

それがたまらなく嬉しかった。

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