ナギの告白 4 〜百side〜 ページ21
話を終えたナギは帰ると言った。
送ると言うと、エレベーターまでオレだけにお願いしたいと言われて、Aに手を振る。
なんか話したいことあるんだろうな。
「想像とは違いましたが、納得いきました。本日はお時間いただいて、ありがとうございました。」
「ううん。オレもスッキリした。ナギがどう思ってんのか、悪い子じゃないのは分かってんだけど、Aがいつか不安になるかも知んない芽は、摘んどこうと思ってたからさ!」
「ノープロブレム!ワタシはAにもハッピーでいて欲しいのです。」
「知ってるよ。オレにとってのRe:valeと同じでしょ?ナギにとってのIDOLiSH7とA。」
そう言うと、ナギは少し寂しそうに微笑んだ。
「同じかは分かりません。それぞれデスから。・・・しかし、だからこそAに聞けませんでした。」
「何を?」
「・・・ハルキの居場所は知っていたのか、命の期限は同じだったか。」
【ナギ・・・】
ナギが桜春樹と友達だったというのは知ってる。
曲を貰った事も。
ゼロや桜春樹の話になると、Aが時々、寂しそうになる事も。
「・・・オレには分かんない。でも、日にちや時間は分かんないって記憶が結構ある時も言ってたけど、IDOLiSH7のみんながノースメイアに行った時、っていうのが元々の通りなら、大体は知ってたかも。」
「・・・そうデスか。」
「でも、桜春樹の居場所を知っていても、亡くなんのを知っていても、動かせる事と、動かせないことがあるから。」
「・・・そうデスね。Aが苦しまなかったとは思えませんし。」
「ナギがオレに言いたかった事って、それ?」
エレベーターのボタンも押さずに、何回目かのエレベーターの通過を見送りながら、ナギに聞いた。
他にあるような気がする。
ナギはオレを真っ直ぐ見た。
「Aの記憶がなくなっていくのは、辛くはないですか。」
【!!】
「Aの記憶がなくなっても、ミスターモモはAを愛すでしょう。自分の中にしか思い出がないというのは、辛くはないですか。」
【凄いな、ナギ・・・】
「・・・辛くはないよ。・・・でも、怖くはあるかな。」
「怖い・・・?」
寂しいとは思う。
でも昔の記憶って、人それぞれ覚えている事が違ったりするのが、普通によくあることだから、辛くはない。
でも、怖い。
「Aがオレの事を好きなのはさ、根底に、前世の記憶が影響してる事は否定出来ないから。」
そう言ってオレは、力なく笑った。
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ミズ ミズ(プロフ) - さざんかさん» 何度もコメントありがとうございます!何度も読んでいただけて嬉しいです✨頑張ろうって励みになるコメント、ありがとうございます😆 (4月30日 13時) (レス) id: 18ddd53bfe (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 続編を全て読了したあと、また一からここまで読み進めてしまいました😂本当に、何回でも何回でもときめいて、シーンごとに感動して、大好きです。百も、主人公も、ヤスも、なにもかも。またこれから続編を読もうと思います。本当に、煌めき沢山のお話をありがとう!! (4月30日 6時) (レス) @page50 id: 0d4c90c531 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - さざんかさん» コメントありがとうございます!こちらは心のままにほぼ欲望に忠実に書いてたものなので、そう言っていただけるのが恐縮ですが、嬉しくもあります。続編もあり、主人公の性格が微妙に変わったので気に入って頂けるかわかりませんが、気分が向けば、よろしくお願いします (8月15日 10時) (レス) id: 26c48aa660 (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 完結おめでとうございます!執筆本当にお疲れ様でした!あれもこれもそれもどれも神がかってると言っても足りないくらい感動的で神秘的で、とっても素敵でした!✨️こんなに心揺さぶられる物語中無いです…ありがとう、と、切に切に申し上げます。ありがとう。 (8月15日 3時) (レス) @page50 id: 2d06e4d39c (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - jackandeve1207さん» 長いお話で所々至らない部分が多かったと思いますが、読んでいただいてありがとうございました!続編ですか(`・ω・´)楽しそうですね!案練って、3月4月位なら可能かも・・・女の子目線、ガツンと書きたいなと思ってたんです(笑)ありがとうございます! (2021年2月3日 22時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miz | 作成日時:2020年3月5日 7時