好きと気付いたバレー馬鹿【木兎光太郎】 (ページ7)

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7、帰り道ページ7

「サッカー部、今終わったの？」

「いや一時間位前だよ。女バレは終わるの遅いから待ってたw」

「あー……ごめん」

これまでの彼氏だとここで、“部活なんてお遊びがちょうど良い“、“辞めたら？”などと口にする。
まぁまだ付き合って初日でそれはないだろう。
もうしばらくしたら、自分に構ってもらえない彼氏は、Aが部活第一なのに腹を立たせる。

「謝るなよw部活一番なの知ってるし、俺も全国狙ってるからさ」

確かに梟谷のサッカー部は強い。が、毎年都大会止まりである。

「じゃあ一緒に全国行こうね。私達、優勝狙ってるから」

今年のインターハイ。梟谷は、宮城の新山に決勝で敗れた。

「おう！約束だなっ」

「……うん！約束！」

男に対して冷めているA。だが、今はキュンとしたのだろう。
部活に理解がある人が目の前にいたのだから。
毎度の事だが、Aは男運がない。基本束縛系の彼氏になってしまう。
だから部活第一で行動するのは、Aにとって負担なのだ。

「あ、明日さデートしよーぜ？部活でテーピング無くなったから買いに行かないとなんだわ。うちさ、部員目当てのマネが入ってくるから、マネ禁止になったんだよねw」

「マネ禁止は聞いた事あるwテーピングって事はスポーツショップ？」

「そそ。なんかAも買いたいのとかない？」

夏目の問いに、新しいタオルが欲しいと答えると、明日のデートが決定された。
部活の後の為、時間は遅くなるがAもスポーツショップなら良いと考えたのだろう。

「じゃあまた明日な！」

「明日ー」

結局家の前まで送ってもらい、夏目は帰って行った。

「……木兎先輩にもタオル買ってあげよっかな」

自分の部屋へ向かっている途中で、ふとそんな事を思い付いたAだった。