好きと気付いたバレー馬鹿【木兎光太郎】 (ページ17)

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17、合宿② ページ17

「また宜しくなぁ」

木兎が烏野を集めた理由と言うのは、音駒が到着したからだった。
黒尾が不機嫌そうな孤爪の首根っこを掴み、梟谷と烏野に挨拶をする。

「クロ、離して……」

「黒尾さんはお前がゲームばっかやってるから誘導してくれてんだろ！」

「これ、誘導って言わない、……」

孤爪がぶつぶつを文句を言うので、黒尾ではなく山本が反抗する。

「研磨！」

それでも尚文句を言っていた孤爪だったが、日向が声を上げると何も言い返さなくなった。

「翔陽。久し振りだね」

それどころが嬉しそうに、うっすらと笑みを見せる。

「日向！」

「おぉ！リエーフ！俺、必殺技覚えたから、覚悟しとけよ？！」

「ひ、必殺技？！すげーな日向！」

「だろ～？」

コミュニケーション力が高い日向は、あっという間に音駒に混ざっていく。
因みに孤爪は、黒尾から解放された様だ。

「福永は行かなくていいの？」

「うすっ」

「そうか。じゃあ福永は俺と居ような」

少し離れた所から、海が歩いて来る。
福永の回答を聞くと、海は優しく笑って福永の隣に並んだ。

「スガ君。元気だったか？」

「元気元気！そっちも元気そうで良かった」

夜久と菅原も話し始めるが、これは親戚同士の会話かと言う程にしっくりきている。

「あれ、まだ岬達は来てないのか？」

「はい。何だかAが忘れ物をしたとかでバスの出発が遅くなったみたいです」

「あーAちゃんねwじゃあ今頃岬はお怒りだろうに」

「Aは怒るとこえーもんな」

辺りを見渡してから、黒尾が赤葦に尋ねる。横にいた木葉も口を挟んだ。

「あれ？木兎どこ行った～？」

「あ、本当だ。また消えた」

白福と雀田が木兎がいない事に気付く。

「木兎なら烏野の一年セッターとあさり拾いに行ったぞ」

「あさりって……」

「馬鹿だな」

「木兎さんらしいですけどね」

影山といた姿を見た他のメンバーが、呆れ顔で答える。

このぐだぐだ感。流石と言うべきか何と言うべきか。
しかしこれが、ハードな夏合宿の始まりである。