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うるさいから公園で遊ぶな? 家で遊ぶなって言ったりうるさいって言ったり理不尽にも程がある ページ35

「ここのブランコで一緒に遊んだアル。今度、そよちゃん連れてくるヨ!!」

「そよちゃんていうの? 可愛いお名前!!」


一国の姫を友達に持つ神楽と、そうとも知らずにはしゃぐ田舎娘。ここにもし役人がいたら、即刻斬り捨てられるかもしれない。そんなことは万に一つもありゃしないが。

一方の保護者組は、ベンチでのんびりと過ごしていた。水に白いインクを垂らしたような雲が流れ、優しい風が頬を撫でる。

くぁ、と欠伸につられてふわ、とつい漏れる。あふ、と口元を手で覆うと、くすりと笑われた。


「いい天気ですねぇ」

「そうですね。ちょうどよく暖かくて」

「あ、やべ。眠てぇ……」

「銀さん、寝ないでくださいね。寝たら置いていきますよ」

「あー、うん……」

「ダメだ、これ」


ぐでん、と背もたれに両腕を置いて天を仰いだ。そのポーズから動かなくなった。きっちり商品が入った袋を持ちながら。

遊具で遊ぶ沙代と美菜についていく神楽、それを追いかける沙苗。笑い声が弾ける午後で、一番穏やかな時間だった。


「そういえば、何買ったんですか?」

「んーと、筆一式と半紙と……手習いと、色々です。金平糖も」

「優しいですね」

「いえ、そんな。向こうじゃ、好きな物もろくに買ってあげられませんでしたから」

「そうなんですか?」

「ええ。雑貨もこんなに豊富ではありませんでしたし。それに、持ち金もあんまり無くて……光熱費とか、水道代払うのに四苦八苦してました。せめて、見かけだけでもって、小さい布つぎはぎしたり……多分、新しい着物とか欲しかったんじゃないかな…」

「そういうのを、優しいって言うんだと思いますよ。お金が無いと、確かに欲しいものは買えませんけど……だからと言って、心まで貧しい訳じゃないですから」

「新八くん、」

「僕も、実家の道場が地上げ屋に潰されそうになったことがあって……その時は、道場よりも姉上を護りたかった。姉上がいてくれなきゃ、って。道場復興も大事ですけど、やっぱり姉上がいないと、駄目なんです」


ひゅっと、縮こまるような冷たさが首筋を刺す。強い風が通り、思わず項をなぞった。

昨日の血の気が凍るような感覚。指先がまた、冷えていくのを感じた。

今度こそ、間違えない。間違えたくない。


「Aさん?」

「あ、っと」

「……大丈夫です。なんの根拠も無いですけど、こんなに素敵なお姉さんがいるなら、きっと」

「……はい」


もうあの頃の赤ん坊は、どこにも居ない。

地区ごとに午後5時のチャイムって違うって知ってた? 知ってる? あ、そう→←おねだりされたら財布の紐は緩む。それは自然の摂理



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りんこ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています!もし決まってましたら、大前兄妹の年齢を教えていただけないでしょうか? (2021年2月24日 15時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pillow | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年2月23日 17時

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