第757話🦇立場と葛藤 ページ41
*エーミール side*
収穫祭が前日に迫った、その日の放課後―――ミラちゃんから今会えるかという電話をもらい、俺はすぐに了承して待ち合わせ場所の中庭へと向かった。
辿り着くと、そこにはすでに彼女が居て。
「あ、エミ兄やーん!」
ベンチに座っていた彼女は笑顔で俺を出迎え、そんな彼女の隣に俺は腰を下ろす。
「いきなり呼び出してごめんな〜?」
「ううん、気にせんでええよ。それで……俺に用事?」
本題を尋ねると、彼女は「うん」とひと呼吸置いてこう告げた。
「明日からの収穫祭……新・我々
笑みを絶やすこと無く思わぬ問いかけをしてきた彼女に、ドキリと心臓が大きく脈打つ。
「えっ、と……」
自分の立場と彼女の味方でいたいという相反する気持ちがせめぎ合い、返答に詰まってしまう。
そんな俺に、彼女は怒るでもなくむしろ申し訳なさそうに苦笑した。
「ごめんな、意地悪な質問して。……無理に答えろとは言わんよ。だってアナタは、新・我々
「……確かに、そうや。けどッ…それ以前に、俺は君の味方で……!! むぐッ!?」
ガバッと顔を上げて彼女のほうを向いた瞬間、伸びてきた両手に顔を挟まれた。
「だいじょーぶ。アナタがアタシの味方でいてくれてるのは、ずっと前からわかってるから。そういうの抜きにして、エミ兄やんと敵対できてるこの状況……これでもアタシ、結構楽しんでるんやで? せやから……そんな情けない顔せんといて」
「……………ごめん」
パッと顔から手を離された俺は、ただその一言しか口にできなかった。
この状況を楽しんでいる……という彼女の言葉に、恐らく嘘は無いのだろう。
実際、俺が敵対組織に属してるって知った時もどちらかといえばワクワクしてたしなぁ……;;
「……わかったよ。もう、このことでウジウジしたりしない」
いろいろ考えた結果、俺はそう結論を出した。
その結論に満足したのか、ミラちゃんは満足気に笑う。
「んふっ、わかればよろしい!」
笑いながらそう言ったかと思うと、ミラちゃんはおもむろにベンチから立ち上がった。
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空文 晴霧(プロフ) - ぎおののーとぱそこんさん» コメントありがとうございます! アズくんとの絡みは私もめちゃくちゃ楽しんで書いてます(笑) ファンクラブ立ち上げましょう!!\( `꒳´ )/ これからも応援よろしくお願いします! (2023年4月7日 9時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
ぎおののーとぱそこん - 二回目のコメント、別機種から失礼します〜ミラちゃんと魔主役もやが、魔入間たち(とくにアズ君)の絡みが…神…。ミラちゃんと我々怪盗団…最高っす…悪魔ミラちゃん、性格が素晴らしい…ミラちゃんファンクラブ立ち上げたいっすわ…。陰ながら更新応援してます!! (2023年4月7日 3時) (レス) @page3 id: 1e15dc8a80 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます!! ギャップの女・ミラちゃんですからね( *¯ ꒳¯*) 収穫祭編も気合いを入れて書きましたので、皆様にお披露目できる日が私も楽しみです(*´∀`*) (2023年3月27日 16時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 収穫祭で悪周期ミラさんが見れるのでは?と期待をしております!ミラさんの無邪気さと悪魔らしさのギャップでいつも心揺れてます〜!更新頑張って下さい! (2023年3月27日 15時) (レス) @page10 id: 925a09eca2 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - バー子さん» ありがとうございます!! どんどん匂わせていきますので、ご期待ください( *¯ ꒳¯*) (2023年3月26日 21時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2023年3月17日 19時