39:繰り返さない ページ40
Aside
喉が渇く。
少しつまむだけじゃ足りない。
理性を手放したらきっと何人もの人間を吸い殺す。
…あの人が、いた。
かつて私と約束し契約してれたあの人が…
「やっと、死ねる…」
まふ君は私を殺してはくれない。
そしてまふ君は契約したあの人の血を引いてるだけ。
歌詞さんは私を殺してくれる気があってあの人でもある。
「やっと、解放してあげられる…」
学校に向かう。
あの古い音楽室。
ピアノ音が聞こえてくる。
知ってる曲。
思い出の曲。
でも、扉を開けたら消えてしまった。
どうやら幻聴だったらしい。
…悲しい。
「A」
「…そらるさん」
「俺の血飲んで」
「殺しちゃうかもよ？」
「いいよ」
そらるさんが私を抱きしめる。
「俺の血、枯れるまで吸って殺してA」
「…どうして、」
「考えたんだ。俺がどうして前の記憶を持って生まれてるのか」
片目だけが赤く光る。
「一緒に俺は生きたいし死にたい。」
「……また、」
「え？」
「また私を置いていくのね？」
首筋に噛み付いて血を吸う。
殺さないように注意をする。
ただ動けなくなるくらいまで…
「な、んで…」
「そらるさん。知らないだろうけど前もこんな事があったの」
「は…？」
何度も生まれ変わっては初めて会った時の人の記憶しか持たないそらるさん。
何度だって私があなたを殺してきた。
それでもあなたは何度も生まれ変わっては私の前に現れる。
「そらるさんに私が死んだ時に泣いてもらわなきゃ」
もう置いていかれるなんて嫌。
この輪廻は私が死ぬことで終わる。
「５生分は泣いてもらわなきゃ呪うからね？」
続く (更新停止中)
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作成日時：2017年9月27日 14時
