吸血鬼は音楽を好む【歌い手】 (ページ39)

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38:守るページ39

そらるside
俺の嫌いだった特別な人間。
歌詞太郎は人間でアイツの記憶の保持者でAを殺すつもりがある。
一方まふは契約した血があるものの殺すつもりはない。
でも、

「調子乗んな」

Aの血の香りで駆け付ければこの様。

「殺す気ないのに苦しめんな」
「こうでもしないとAちゃんは血吸ってくれないってそらるさんも知ってるでしょ？」
「っ、」

歌詞太郎…本当に全部知ってるのか。
思い出した？何で？何がきっかけだ？

「どういう、事…」

まふが話についていけないように呟く。
いやついていけないのか。

「まふ、Aを殺すつもりはあるか？」
「え、」
「ないなら身を引け。」

まふは血を引いてるだけで巻き込まれたんだもんな。
Aはアイツに殺されたがっていた。
アイツの生まれ変わりなら本望だろ…

「僕は…」
「勝手に進めないで、くれる…かな！？」
「A、無理して喋るな」
「純血種をナメないで。我慢くらい出来るよ」

いや、今まで我慢とか出来てなかっただろ…
てか息切れてるし我慢してんだろうな…

「私にだって、選択権ある筈！」
「……Aちゃん俺と契約しよ。約束果たすよ」
「とりあえず喉渇いたから摘まんでくる」
「え、は？！A？！」

闇に紛れて消えるA。

「歌詞太郎、後で話がある」
「分かってる」
「まふもだからな」
「は、はい」