吸血鬼は音楽を好む【歌い手】 (ページ31)

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30:残念なお知らせページ31

そらるside
１度覚醒したモノは死ぬまでそのまま。
つまり天月は血を求める日が来る。
精々満月の日くらいだけど…

「どうしようかなー？」
「考えありそうな口振りだな？」
「簡単な話。私があげればいい」
「はあ？」

何考えてるんだ、Aは。

「私の血なら少量で良い筈だし？
既に天月さんは私の血の味を体で覚えてるから…」
「半端者の血じゃダメだって言いたいわけ？」
「…歌詞さんを吸血させるワケにはいかないでしょ？」
「そ、それなら、僕じゃダメなの？」

まふがおずおずと答える。

「負担が大きいからダメ！」
「…つうか最終的には天月が決める事だろ」

俺達に出来る事はちゃんと説明して選択肢を与える事。

「まあ、満月の夜以外はいつも通り過ごせるだろうから…」
「問題は満月の日。来月の満月の日までに決めようか」
「A」

まふがAを呼び止める。

「うん？」
「今日満月だね？」

それは、まふが自身を吸血しろと言っているようで…Aの顔が強張った。

「ま、まふ君？僕別にお腹は空いてないかなー？」
「空腹関係なく僕を吸血するって約束したよねね？」
「………ハイ」

まふが腕の袖をまくる。
Aが近付いて牙を立てて直ぐに離し出血するのを舐める。

…嗚呼、羨ましい。