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24:特別 ページ25
そらるside
週末の夜の古い音楽室。
Aは週末はここで過ごしてる。
「なぁ、A」
「何？」
「俺じゃあ駄目なの？」
「駄目だよ」
吸血鬼にとって死とは最後のご褒美。
好きな人に殺してもらえるなんて幸せ。
それをAはまふにやらせようとしてる。
「まふ君が殺してくれないなら、次の人を待つよ」
まふに流れてる血とAは200年以上前に契約した。
だから血縁が途絶えない限り契約は消えない。
そして契約によって契約者は引かれ合う。
「残酷だよねー」
赤い目が自虐的に笑う。
「何で俺じゃあ駄目なワケ？」
「私がまふ君が好きだからだよ？特別」
Aの言葉が心に突き刺さる。
「特別、か」
「そらるさんは別の意味で特別だけどw」
「ふーん…」
面白くない。
「そらるさーん？面白くないって顔してるよ？笑」
「分かってるならどうにかしてよ」
そう言えばAが触れるだけのキスをしてきた。
「今の、どういう意味？」
「想像に任せるよ♪」
「罪な奴…都合よく解釈していいの？」
「いいよ。そらるさんは特別だから」
悪戯に笑う。
俺の気持ちを知ってて
応えられない事も知ってて
あえて言葉にしないで、
俺の気持ちを否定しないでくれる。
でも、
「殺させてくれないクセに特別なんて言うんだ？」
「特別は１つだけじゃないでしょ？」
「確かにね」
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作成日時：2017年9月27日 14時
