吸血鬼は音楽を好む【歌い手】 (ページ3)

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02:よろしくねページ3

まふまふside
結局伊垣さんは見付けられず帰宅。
僕の両親は共働きでほとんど家に帰ってこない。
実質一人暮しと変わらないようなモノで…

「先生直ぐ怒鳴るから驚いたねー」

女の子を連れ込んでも何も言われない…とはいかず。まず、何で伊垣さんが僕ん家にいるか分からないし、そもそもどうやって家に入ったのかとか思うし…

「いいいいい伊垣さん？！」
「Aでいいよ？堅苦しいじゃん真冬君」
「A、さん」
「うん。で、驚いてどうしたの？」
「何で僕ん家にいるの？！」
「真冬君に連れてこられたww」
「連れてきてないよね？！」
「えー、連れてこられたよーww」

カラカラと面白そうに笑うAさん。

「それよりさ、私お腹空いてるんだよね」
「自由か！」
「真冬君、血くれない？」
「……はい？」
「血が欲しい」

What？

「ちょうど怪我してるみたいだしそこでいいや」

そう言えば今日体育の授業で転んで肘を怪我した。
そんな事を思い出している間に勝手に袖を捲られて傷口に貼ってあったガーゼを剥がす。

「え、ちょ？！何して…っ？！」

燃えるような赤い目。
ふいに今日見た茜色を思い出した。
そして、口から覗く鋭い牙。
傷口に左側だけ突き立てれば鋭い痛みが走る。
せっかく止まってた血がまた出始めてチューチューと吸われる。
頭がついていかなすぎて固まるしかない。

「ぷはー、ごちそうさま！またよろしくね」
「え、あ、はい……えぇぇぇぇえええええ？！」
「うるさっ！」