サイドストーリー 3ー4 ページ12
夏目くんに会えてホッとした安心と、先程の不安が入り混じる。慌てて彼に駆け寄るも、聞きたいことがうまくまとまらないまま、私の口からこぼれていく。
「夏目くん、私何かしちゃった？みんなを怒らせるようなこと…！誰も話できなくて、謝りたいのに…」
「ちょっ…ちょっトA…落ち着いテ？どうしたノ？怒らせたって何ヲ？」
両肩に優しく手を添えて、目を合わせてくれる夏目くん。その優しさだけで目の奥がじんわり熱くなる。焦る私を落ち着かせるように、彼はもう一度口を開けた。
「何があったカ、ゆっくりでいいから話してごらン？」
どこから話せば良いだろう。どう話したら分かってもらえるだろう。
「みんなに…避けられてる気がして…」
なんとか絞り出した言葉じゃ、説明不足で、夏目くんが首をかしげる。
「避けられてル？」
「今日…誰に話しかけても取り合ってもらえなくて…。私何が迷惑を…怒らせるようなミスをしたのかな…」
「迷惑なんテ、あるわけないでショ？みんな君の頑張りには感謝してル。」
「でも…今日ここにいることに驚かれたり、帰った方が良いとも言われたよ？」
「え……。あア…そっカ…なるほどネ。」
一瞬驚いた夏目くんだったが、なにが思いついたように、納得したように頷いた。
「大丈夫。心配ないヨ。」
「なんで分かるの…？何か…知ってるの…？」
「うーン…知らないわけではないけれド…」
「教えて夏目くん！私、何をしちゃったの？？」
事情を知りたい。夏目くんに詰め寄るような形になってしまったが、なりふり構っていられない。しかし、夏目くんは困ったように視線を彷徨わせた。
「…っ、ごめんネ…もう少ししたら教えてあげるかラ…」
「なんで…？知ってるなら教えてよ…。言えないくらいひどい話…？」
「悪い話じゃないヨ。君が嫌われているわけでもなイ。」
「だったら…」
『必ず教えてあげる だから少しだけ待って欲しい』
ずるい。こんな時に魔法を使うなんて…。本当に教えてくれるつもりがないんだ。突き放されたような感覚。あと少しってどれくらい？それまでずっと自分が何をしたかも分からずに、不安のまま過ごすのか。涙が滲んでくる。
ああ、なんで面倒くさい自分。自分の不安優先で、彼の助言を素直に聞けない。私がこんなだから…みんなは…夏目くんは…離れていってしまうんだ…
「夏目くんの最近の電話も…なんのことなのかは話せない？」
「……え…？」
私の質問に夏目くんは目を丸くした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
minrisyan(プロフ) - 星乃刹那さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！ゆっくり更新ですが、皆さんに夏目くんの魅力が少しでも伝わるように頑張ります！！ (2020年3月5日 23時) (
レス) id: 8bdb17c1dd (このIDを非表示/違反報告)
星乃刹那(プロフ) - うわぁ、すごい好きです！続き楽しみにしてます！ (2020年2月20日 14時) (レス) id: 7c149933cf (このIDを非表示/違反報告)
minrisyan(プロフ) - 一期Loveさん» コメントありがとうございます！私の理想の夏目くんをひたすら書かせて頂いているのですが、気に入って頂けたのなら嬉しいです！今後もまだまだ更新をしていきますので、どうぞよろしくお願いします！ (2019年9月5日 20時) (レス) id: 84aad287f8 (このIDを非表示/違反報告)
一期Love(プロフ) - 凄く面白いです！本編の方もすぐに読み切っちゃいました。読み返しては夏目くんいいなーと思わせて頂いています！更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2019年9月5日 3時) (レス) id: 2345a9075e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：minrisyan | 作成日時：2019年9月1日 20時
