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(27)巡って ページ29

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────俺のこと、考えといてください






先日の言葉が頭の中をグルグルと渦巻く夕暮れ



Aは七海と合同任務を終え、祓った呪霊の残骸を家入への手土産にしようかと作業していた


七海は伊地知からなにやら連絡が来たようで傍には居らず、普段なら集中しやすい環境であるが今日ばかりは違った




そのとき、Aの背後からひょっこりと現れるひとつの影




「わっ!」

『わあ!?』



その影に全く気づいていなかったため、耳元で急に声を出されて思わず飛び跳ねた


振り返ってみれば、そこにいたのはツギハギの彼




「A久しぶりだね!
もー!任務中に気抜いてたらダメでしょー?」


『真人か…びっくりしたぁ…けど、それは真人に言われるのも複雑ぅ…』


「あははっ。ま、俺は呪霊だからね」




Aが腰掛けたその横に真人も腰を下ろし、顔を覗き込む




「なんかあった?前と違う感じがするよ」

『んー……、最近考えてることあって…』

「俺で答えれそうなことだったらなんでも聞いてよ」




真人に分かるのかなぁ、と疑問に思いつつ、自分でそろそろパンクしそうになってきていたので誰かに聞いて欲しかった


だから、自分の気持ちを誰かに後押ししてほしいのもあった




『ある人がいて、その人と一緒にいたらとても落ち着くけど、身体がポカポカしてくるの

今何してるのかとか考えちゃうし、こうやって作業してた今も、……気になってる』




気にならないなら、あの日の言葉がこうやって頭の中に巡るわけもない


Aの言葉を聞いた真人は、うんうん、と頷いて躊躇いもなくこう言った




「それは恋じゃないの?」





「俺は呪いだからよく分からないけど…、夏油は分かるでしょ?」

『?夏油さんいないんじゃ──』


「やあ、A」

『わっ?! びっくりした…』




にっこりと、挨拶を交わしながら現れたのは紛れもなく夏油で。




「私も、それはAが相手のことが好きだからだと思うよ」



その2文字が聞こえた途端、なにかストンと胸に落ちてくるものがあって。




『……そっか。好き、か』




独り言のように、その2文字を何度か口にして





『─────うん、好き』





自分の気持ちを受け止めて、清々しい気持ちになって





『会いたいなぁ』




そう思うのも、きっと必然だ





『ありがとう』とお礼を2人に言うと、にこりと笑ってくれた




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ほやっく(プロフ) - souさん» コメント嬉しいです〜!!読んでくださりありがとうございました!!! (2022年1月23日 10時) (レス) id: f8046942e5 (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様です!私も恵くん大好きなのでオチが恵くんでとっても嬉しかったです!! (2022年1月22日 21時) (レス) @page40 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほやっく | 作成日時:2021年3月3日 19時

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