検索窓
今日:1 hit、昨日:53 hit、合計:63,457 hit

ページ17

いい終えたあと頭を下げて、待つ。
私の覚悟。私の言葉。伝わった、のだろうか。

少し遅れて、パラパラと拍手が聞こえる。
顔をあげると、皆が手を叩き、拍手していた。
その光景に、思わず目を見張る。

『地下街の悪魔だかなんだか知らんが、人類のために戦うと決意したからには覚悟しろよー!』
『地下街の悪魔とはいえ、お前の力より俺達の方が上だって忘れんなよ!』

かけられる、尖ってはいるが優しい言葉に視界が滲んでいく。

「ありがとうございます…」

ようやく、ここで、調査兵団で、力を使う、捧げる準備が整ったのだ。



(リヴァイside)

リヴァイ「…これはどういうお前の読みだ?」

隣で涼しい顔をして拍手してるエルヴィンに小さく耳打ちをする。

エルヴィン「Aは説得力がある。…特に、あの強い意思を孕んでいる瞳だ。従わざるを得ない_という状況になったこと、お前もあるんじゃないのか?」

幾度かのAの強い瞳を思い出して、溜め息混じりに「あぁ」と呟いた。

エルヴィン「彼女は思っている以上に強く、聡明だ。守ってあげる存在として扱う風に見せるより、彼女自身の言葉で言った方が説得されると思ったが_成功したようだ」

リヴァイ「あぁ。あいつは_強いからな」

もういいだろう。目に涙を浮かべ今にも溢れ落ちそうなAに近寄った。

リヴァイ「…大成功だ。お前は晴れて今日から調査兵団の兵士_自由の翼を手に入れた」

Aは拍手の中振り返り、微笑む。

「リヴァイさんのおかげです。
…ありがとうございます」

その屈託のない純粋な笑顔は、Aの本当の心からの表情で、何故か俺の心が揺れた。

リヴァイ「_後はエルヴィンに任せておけばいい。 とりあえず捌けるぞ」

Aと目があったらバレるような気がして、半ば強引に話をそらし、車イスを押すためにAの後ろに回り込む。

__ようやく、全てのいざこざを無くして、本当のAに会えた___そう思った。

前夜→←◆



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (58 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
164人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みみみみみ | 作成日時:2022年9月29日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。