出会って四日目 ページ5
少し沈黙が続いて、やっと口にしたのは先程の繰り返しだった。
「俺は、お前の求める神様なんてお綺麗なもんじゃねえよ。正反対だ。そんな汚い生き方をしてきた、化け物みたいな人間だ」
『死神？』
「そっちの方が余程近い」
『死神も神様』
「あのなァ...」
減らず口ばかりで可愛げのないガキだ。そういうところも、神様なんて非科学的で曖昧ものを信じていなさそうで実は救済の存在を盲信しているところも、何処かの野郎とそっくりで知らず腹が立ってくる。
彼奴ほど素直さは欠けちゃいないがな。
『ねぇ、私いつまで此処に居ていい』
「あ？ 何時までってそりゃ、医者が明日明後日には歩けるようになると言っていた。親戚の家でも何処でも送ってやるから明日には出ていけよ」
『さっきたらい回しにされてるって言った』
「知らねえよ。俺らは慈善事業家じゃねェんだ。今回連れ帰って手当てをしてやったのは、一応一般人を巻き込んだ詫びだ。親戚の家が無理なら手前みたいな子どもを預かる施設でも紹介してやる。少なくとも、此処に置いてやる気はねえ」
はっきり告げると口篭る少女に、まあ今日はゆっくり寝てろよと言って背を向けると、不意に後ろから引っ張られたように背中が強ばった。
見てみれば、彼女の細い指が服を掴んでいた。指先が白むほどに力強く。まるで渾身の力とでも言いたげだった。
『置いてもらえるなら何でもする。神様、お願い』
「はァああ、だから神様じゃねえって何度言えばわかる。それにな、ここは裏社会を牛耳る組織ポートマフィアだ。裏社会ってわかるか？ 手前らみたいに陽の下を歩いてきた人間には見当もつかえねぇ仕事ばっかするんだよ。お前らの言葉でいう犯罪集団だ。怖いだろ、だから適当なことは言うな」
『怖くない』
「嘘」
『嘘じゃない』
「いつ死ぬともわかんねえぞ」
『心が死んでるよりマシ』
あまりに食い下がる彼女に何度も溜息を吐かずにはいられなかった。妙に度胸が座っているせいか、とてもしつこい。
お前、きっと馬鹿じゃねえだろ。賢い選択をしろ。
そう言っても首を縦には振らない。
『じゃあこうして』
「あ？」
『私を巻き込んだ責任があるって言うなら、完治するまで此処において。最後まできちんと世話をして。それとも責任を途中で放棄するの』
その瞳に真っ直ぐ見つめられて、何故か、断れる気がしなかった。なんで俺は自らこんな面倒を持ち込んだのか。数時間前の自分を殴りたい。
「わかった、完治までだ」
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苗代(プロフ) - 彩花さん» コメントありがとうございます。これからも頑張って更新していくので、ぜひご贔屓に。 (2018年7月18日 23時) (
レス) id: 4044429dac (このIDを非表示/違反報告)
彩花 - とっても面白くて一気読みしてしまいました!!!これからも頑張ってください！と (2018年7月17日 15時) (レス) id: 2058922f9b (このIDを非表示/違反報告)
#祭鼓*@harigaya mako*(プロフ) - 苗代さん» よろしくお願いしますm(__)m頑張ってくださいq(^-^q) (2018年7月13日 18時) (レス) id: 509492d3f2 (このIDを非表示/違反報告)
苗代(プロフ) - #祭鼓*@harigaya mako*さん» 初めまして、作品を好きだと言って頂けてとても嬉しいです。これからも出来るだけ頑張って更新を続けていくので、これからもよろしくお願い致します。 (2018年7月12日 23時) (レス) id: 4044429dac (このIDを非表示/違反報告)
#祭鼓*@harigaya mako*(プロフ) - 初めまして(*^^*)こんにちは(・∀・)ノこの作品本当に大好きです(*≧∀≦*)更新頑張ってくださいq(^-^q)応援してます(σ≧▽≦)σ (2018年7月12日 23時) (レス) id: 509492d3f2 (このIDを非表示/違反報告)
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