8）光の世界へ ページ9
「貴様の願望に、罪もない子供たちを巻き込むな！」
ふらつくAを慌てて支える太宰
「つめたっ！？Aさん！大丈夫かい！？」
「織田作さん！！」
「お前たち！怪我はっ！？」
「お姉ちゃんの氷が守ってくれたの！でも、でも！お姉ちゃん火傷してっ」
「A」
心配そうにする子供たちと、織田に笑みを向けるA
「平気よ、異能を使うとこうなの」
「Aさん・・・・どうしてここに？」
「・・・貴方なら、分かる筈よ」
「っ！」
悔しそうに顔を歪める太宰
「・・・・・・・・・」
そして、何かを決めたように、真剣な表情でAを見る
「Aさん、先日の件、まだ有効ですか」
軽く目を見張るAだが、フッと優しい笑みを浮かべた
「私は来るものを拒まないわよ」
「織田作、私は裏社会から抜け出す、だから君も抜けるんだ」
「太宰・・・本気か」
「織田作、君の夢の為にも、ポートマフィアを抜けるべきなんだ。Aさん、お願いします」
「貴方一人で何が出来るの・・・今もうすぐ協力者が来るわ」
「え？」
すると、一台の車が側に停まる
「Aさん！！織田作さん！！太宰君！！無事ですか！？」
「「安吾！！？」」
想像もしていなかった人だった
「どうして特務課の安吾がここに・・・？」
「彼が私の今回の依頼者だからよ」
「依頼者？」
「・・・黙っていて、すみませんでした・・・今回の件で、お二人にも、子供たちまで巻き込んでしまって・・・」
「ど、どういう事・・・？依頼って・・・」
「太宰君・・・君なら、ポートマフィアの首領の考えが分かるはずです」
「っ・・・やっぱり、全部森さんの・・・」
「・・・・・安吾、このまま作之助と子供たちを連れていくわ。太宰、貴方は貴方で動きなさい」
「けどミミックがっ」
「彼は私の知り合いが何とかするわ。任せて」
「Aさん・・・」
太宰は頷く
「安吾、頼んだよ」
「えぇ、任せてください」
「太宰、待っている」
「あぁ、必ずまた会おう」
火傷を負い、ふらつくAを織田が抱えて車に乗せる
走っていく車を見送った太宰は意思を決める
ーーーーーーーーーーーーーー
森の中に建つ洋館
ミミックの長の前に立つのは、漆黒の男女
「なんだ、お前たちは・・・」
「案ずるな、お前たちの願いを叶えに来ただけだ」
「私達の可愛い妹達の頼みでもあるの、今は安らかに眠りなさい」
視界を、眩しい光が覆った・・・・
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作者名：水琴 | 作成日時：2019年4月16日 7時
