検索窓
今日:10 hit、昨日:3 hit、合計:13,846 hit

61)軍師と呼ばれた姉 ページ3

数日前 ――――――――

執務室にいた森に一本の電話がかかる

「はい」

〈ご機嫌よう、リンタロウさん〉

「その声・・・雪子ちゃんかい?」

軽く目を見開き、懐かしげに笑みを浮かべる

「久し振りだね、今はどこにいるんだい?」

〈ロシアの空港で足止めを食らってます〉

「なるほど、やっぱり全て知っているんだね」

電話の向こうで楽しそうに笑う声が聞こえた

〈櫻ちゃんから聞いていると思いますけど、うちからも一つお願いしたい事があるんです〉

「お願い?」

妹より、深い赤の瞳がプラチナブロンドの髪から覗く

電話越しに伝えられた願いに目を見張りながらも、話を聞いて納得する

「わかったよ、“軍師”殿に従おう」

〈ありがとうございます。では、後日〉

「久しぶりに君に会えるのを楽しみにしているよ」


電話を切り、雪子は近くに立った人物に目を向ける

「準備出来ました」

「ありがとう、手回しされてどうしようかと思ってた所でした」

案内されるのは、プライベートジェット機の発着エリア

「貴女には恩がありますので」

「ふふっ」

準備されていたジェット機へ

「向こうにも手は回してありますので、問題ないかと」

「何から何までありがとうございます」

「いえ、“大統領”はこれからも貴女方と良き関係を望まれておりますので」

「はい、また何かありましたらご連絡下さい」

綺麗に一礼し、ジェット機に乗り込んだ

――――――――――――――――――――――――

「【人類軍】、ねぇ・・・」

報告書を眺め、変わらない笑みを浮かべる雪子

「大層な名前だ事」

〈“対象”は世界を味方につけ、巨大権力を得た。探偵社の事だから直接手を出すなと貴女は言ったけど、どうするの?雪子〉

パソコンの画面に映るハニーブロンドの片割れ

「大丈夫ですよ、櫻ちゃん。うちの“お友達”を知っているでしょう?」

〈・・・・・・あの人達を“お友達”と呼べる貴女が恐ろしいわ・・・〉

他の人の前では見せない表情に雪子は笑う

「どんなに超人と呼べる力があっても、必ず弱点があるもの。自分が気付かなくても、ね」

〈スパイの野良犬を逃がせと言ったのはその為ね?〉

「野良・・・・君も大概だと思うのですが」

〈そう?〉

互いに笑い、雪子は立ち上がる

「さて、そろそろ動きますか」

〈無理はしないでちょうだいね?〉

「ありがとう、櫻ちゃん」

カチッと通信を切る

62)同じで、違う双子→←60)武装探偵社の姉とポートマフィアの妹



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (32 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
387人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ユリア(プロフ) - 面白かったです。更新を頑張ってください!続きを楽しみにしています。 (2022年9月18日 23時) (レス) @page6 id: c598b26d28 (このIDを非表示/違反報告)
ツバキ(プロフ) - 次の更新は何時になりますか?面白いので早くみたいなと思っています。頑張ってください。そして光に咲く雪桜の方の更新も待っています。 (2021年11月19日 15時) (レス) id: e6eb0b7abe (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2021年7月8日 12時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白くていつも続きを楽しみにしてます。もし可能ならば主人公さんと呪術廻戦(特に先生+先生の同期組)とのコラボが見てみたいです!ご無理を言ってしまいすみません!作者様のペースで頑張ってください! (2021年1月13日 14時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:水琴 | 作成日時:2020年7月22日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。