検索窓
今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:737 hit

第8話 ページ8

ぶちぶちと筋が切れる感覚が刀を通して伝わってくる。
これでいいのだ。

「おい、何をしている」
「…お父様私は罪人を罰せられる立場にあるのであれば、首を落とす以外の刑を申し出ます」

私は桂の手を縛る縄を斬った刀をお父様に向ける。
桂は口角を上げ、下を向いていた。

「…言ってみろ」
「一生輝内家に追われる…です!!」
「よし、A逃げるぞ!!」

桂は威勢よく叫ぶと、煙幕で当たりが真っ白になる。
手を引かれ、広い家から飛び出す。

「Aは先に逃げるんだ。ここは俺が食い止める」
「1人じゃ無理だよ、どうする…え??」

後ろを振り返ると輝内家と侍が刀を交えて戦っていた。
桂が捕まっていて、こうなることを知っていたのだろうか。

「ありがとう…桂、後で会うんだから生きててよね」
「ああ」

桂は私の足元にしゃがみこむとペンチで鎖を断ち切ってくれた。

「逃げろ…歌舞伎町へ!!」
「うん!!」

走って走って、裸足のことも忘れて、足の裏に沢山の傷を作りながら森をかけた。
輝内家は大きな森の奥にあるため、街は近くにない。
いや、街が近くにあることが不都合だからこうしてわざわざ人気のないところに住んでいるのだ。

「道、わかんないけど…取り敢えず森出れるように走ればいいよね…」

懐にしまっていた巾着袋から髪ゴムを取りだし、適当に1つ結びにまとめる。
髪を束ねるだけでこんなにも走りやすく、視界が開けるのか。
近くから川の流れる音がするので、近くに駆け寄る。
清らかな水が静かに激しく流れていた。
これに沿っていけば…いつか森を出られる。

「おい、いたぞ!!」
「逃がすな!!」

後ろから男の声が聞こえる。
軽く息が切れていたのでまた走るのは辛いが、そうは言っていられない。
川沿いに走っていると、その先の見えない所まで走ってきた。

「さあ、観念してこっちに来い」
「嫌だ…もう二度と帰らない!!」
「どちらにせよここで行き止まりだ。滝壺に飛び込んででも逃げる気か??」
「…よくわかったね。…さよなら!!」

第9話→←第7話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:銀魂
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年8月29日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。