第18話 ページ18
銀時がキッチンに入ってくる。
冷蔵庫からまたいちご牛乳を取りだし、そのまま飲んでいる。
私は気にせず先に食器類を洗い、最後に箸を洗い流し、水切りかごに置く。
「何年ぶりだろうな、会うの」
「…何年ぶりだろうって思うくらい会ってなかったのによく桂と銀時は私のこと覚えててくれたね」
「忘れられねぇよ」
「…そっか」
私は濡れた手をタオルで拭く。
銀時の飲んでいるいちご牛乳をもらい、私もそのまま飲む。
「野郎の口つけたやつ平気で飲むなよ」
「えー…いいじゃん。飲みたかったの。それに誰でもいいわけじゃないから」
「ふぅん。好きな男の子だから飲んだってか??」
「…そうって言ったらどうするの??」
意地悪だっただろうか。
銀時は少し驚いてから手で顔を覆う。
「嘘だよ、ご馳走様」
銀時にいちご牛乳を、返しキッチンから出ようとする。
あ、そうだ、と振り返って銀時に言う。
「銀時のこと、好きだよ。…定春くんの次に」
「あっそ…って、定春の次かよ!!」
ふふっと笑って私は居間に戻る。
今に戻ると、ソファに腰かけた神楽さんがじっとテレビを見ていた。
あまりにも真剣な眼差しで見ているので何を見ているのか私もソファに座って見る。
『本日の特集はヘアアレンジ!!今回はハーフアップの簡単なやり方をご紹介します。簡単なやり方から、アレンジ方法までご紹介しますのでお見逃し無く!!』
「おー…」
神楽さんくらいの年頃の子が食いつきそうな内容だった。
ヘアアレンジは三つ編みくらいしか知らないので私も見ておこうと釣られて夢中で見てしまう。
耳上の髪を斜めにとり、高めの位置で結んでからトップ部分の髪をつまんで引き出す…これなら簡単だな、とテレビを見ていると神楽さんが自分の髪で試しているのが視界に入る。
上手く出来ないのか、髪はところどころまとめられてない部分や、ぐちゃぐちゃになっている。
「…上手くできないアル…」
「やりましょうか??」
神楽さんは目を輝かせて食いついてきた。
部屋を飛び出して行くので何をしに行ったのだろうと思って待っていると、櫛とヘアゴム、鏡を持ってきた。
「ハーフアップにして欲しいアル!!」
「あ、でも…多分できる程度なので…ちょっと待っててくださいね」
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:虹 | 作成日時:2019年8月29日 0時