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第12話 ページ12

「すみません、突然声を上げて…でも、どうして桂さんを探してるのですか…??」
「安否を知りたくて…その…」
「安否って…何かあったんですか??」
「あ…えっと…」

助けに来てもらって、戦いの場に残して去ってしまった、とでも言えばいいのだろうか。
理由なんて考えてなかった。
聞かれて当然のことなのに。
私が口ごもっていると、客室のドアが空く。

「おっ、なんだ、依頼人来てたのか」
「銀さん」
「銀ちゃん、ヅラ探しするネ」
「ヅラァ??まだ銀さんは禿げてねぇっての。ねじ曲がってるけどたくさん生えてんだよ、ったく…」

銀髪の天然パーマ。
だるそうに頭をかく仕草。
何よりもその声は聞いたことがあった。
間違いようがない、間違えられない。
ずっと忘れられなかった…人だった。

「ぎ、銀時…??」
「え??」

目にいっぱいの涙が溜まる。
両目から大粒の涙が流れ、視界がぼやける。
昨日から懐かしい大好きだった親友にあってばかりだ。
菅笠をとり、旧友であろう男性に話しかける。

「覚えて…ない??」
「お前は…!!」

志村さんと神楽さんはお互い目を合わせて、知り合いなのか??とアイコンタクトをとっていた。

「A、なのか…??」
「よかった…覚えててくれたの…??」

坂田銀時。
桂と同じ旧友だ。

「あの時…滝に飲まれてお前は…!!」
「…生きてた、ずっと。…生かされてたの」

私は立ち上がり、銀時の手を取る。
がっしりとした逞しくて温かい手。

「よかった…また会えた…」

私は銀時の手を握って啜り泣く。
ここの所泣いてばかりだ。
着物の裾で涙を拭い、呼吸を整える。

「聞きたいことは山ほどある。…でもまず先に、頭どうした??」
「…頭打った」
「頭打った!?大丈夫かよ、おい…」
「無茶苦茶痛いけど…治るの待つしかないよ」
「そうだけどよ…てか、いつまで握ってんだ」

ごめん、と手を離す。
落ち着いたところで再度ソファに座り桂を探していることを伝える。

「ヅラ、ねぇ。そこら辺歩いてるんじゃね??」
「多分…私の家にいる」
「は??」

3人に今までのことを話す。
お父様にカンキンされていたこと、私生活を見張られていたこと、処刑を私が行うことになったこと、桂が助けに来てくれたこと、怪我のこと。
黙々と3人は聞いてくれた。

「…だから、桂の安否が知りたいの。輝内家の侍は半端じゃないくらい強いし…」
「銀さんどうしますか…??」
「どうもこうも…ヅラだけでも助けに行くしかなさそうだ」

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作者名: | 作成日時:2019年8月29日 0時

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