4.がんばらない ページ5
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「…なんで?」
「監督に言ったら、ここでいいって」
「それ絶対、マネ候補連れてきたとか言ったからデショ」
「あ、正解」
「不正解にして」
私の気も知らないで声を上げるのは、川西。…いつかトマトジュースかけてやる。
そして着替えた五色がこちらに寄ってくる。……知らない人と。
「天童さん、マネ候補のAさんです!!」
もう頭抱えていいかな。
……というか、天童さんって言ったよね、五色。
「Aチャン、ねー。俺は天童覚ね、ヨロシク!」
「…どーも。ところで、天童さんって」
「あ、切り替え早いネ」
「……図書室の本、延滞してマス?」
3年生の延滞者を調べた時に名前を書いた気がするんだよね。あのメモ、どこやったかな……。
ガサゴソとメモを探す私を見る五色と天童さん。
「あ、これ」
メモを見せる。そこには『天童 覚』と書かれている。
「あっ、ホントだ!もしかして俺のこと、」
「寝言は寝て言え」
一度、咳払いをしてそっぽを向く。
まさかこんなことを言う日が来るとは思わなかったんだけどー。
「……俺、Aチャンのこと、気に入ったヨ!!!」
「まじでやめて」
切実にそう思った。
ちなみに、近くでこれを見てた白布と川西は笑ってた。川西に至っては声だけ笑ってた。
色々あったけど、ついに練習開始。今さっきの表情から一変、真面目な顔をして練習に取り組む姿に少しだけ興味が湧いた。
「白鷺、今から予測しろ」
練習風景を見ているだけの私に無茶振りをするのは鷲匠監督。
「んな、…無茶なこと言わないでくださいよ」
「お前の爺から聞いてるからな」
二カリと笑う鷲匠監督。
……おじいちゃん、孫自慢は程々にしてね。そんな私の心情なんて関係なしに練習は進んでいく。そしてスパイク練習の時、事件が起きた。
クロス、ストレート、一人時間差。攻撃の種類を言い当てながら、流れ玉はこちらにも飛んでくる。それを避けながら言い当てるのはツラい。
その時。リベロである先輩?が牛島さんのスパイクを受け損ねた。凄い勢いでボールがこちらに来ることに気づいたのは、白布の声があってから。
「白鷺、ボール!!!!!」
「!!」
いや、これ避けれなくない……?
でも左斜めからボールが来てるから、少し前に頭を下げれば壁に跳ね返ったボールも当たらずに済みそう。
諦め半分の気持ちで身体を動かした。
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ろい(プロフ) - ヒナさん» 果たしてオチはあるのか…??(すっとぼけ顔)コメントありがとうございます、更新頑張ります! (2020年6月24日 21時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 落ちはあるのか…?あるなら白布がいいなぁ、夢主可愛い!更新頑張ってください! (2020年6月7日 12時) (レス) id: fe45ff59f5 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - ryonさん» 可愛いですよね分かります(真顔)。応援ありがとうございます! (2020年3月8日 13時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
ryon - え?夢主ちゃんて、可愛いすぎ、、 めっちゃ応援してます! (2020年3月6日 9時) (レス) id: 89b2666c2a (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 青い夕日さん» ありがとうございますううう!!自分で書いてて言うのもなんですけど夢主ちゃん可愛いですよね!!更新頑張ります! (2020年3月5日 22時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろい | 作成日時:2019年3月8日 22時