【ハイキュー】マジ、女の子は顔じゃないらしいよ。

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「で、いつにも増して鉄朗兄さんがAのこと見てたんだけど、なにかあったの？」

『まーじすか。なにもないのにー』

「いつにも増して鉄朗兄さんが、まるでついずっと想いをよせてた子に告白しちゃったけどしない方がよかっただろうかと気になってチラチラ様子を窺ってしまう男子高校生みたいになってたけど、なにかあったの？」

『まーじすか』



コイツ当事者の私より事情とか分かってんじゃね？

スマホゲームをしながら1度もこちらに目もくれず、淡々と喋る弟になんとも言えないこの気持ち。
むしろ気持ち悪い。それを通り越して尊敬。



「その反応、あってたのか。言っとくけど多分研磨も知ってるぜ。だからって何かあるわけじゃないけど」

『まーじすか…』



別に知られて困るようなことでもないけど、黒尾お前…。
その調子だと音駒バレー部員全員知ってるんじゃないか？近いうちにまた合宿とかするぽいから、ほんと…。


……ほんと、、。
ほんと、なんだろう。


弟に聞いたって仕方ないし、私の問題に弟が介入する時点でおかしい。
けどなぜか、答えが出せない私には、行き先に困った目線と沈黙を今、弟に向けることしか出来なかった。

弟は、弟氏は。生まれる順番を間違ったんじゃないかと思うくらい鋭いから。
…私が知らないなにかも、知っているんだろうな。どうせ全部お見通しなんだろうし。

そんな私を見てか、弟はため息をついた。



「姉ちゃんがなにを気にしてるか知らないけど…」

『(うそやろ…)』

「好きな子に告白して、返事を先延ばしにされるのって、想像以上につらいらしいぜ」



本当にどうでもよさそうに話す彼は興味があるのかないのか。
あっちから話題に出した時点で0ではないのだろうけど、弟に、姉といとこのこじれたお話をするのは気恥しい感じはある。

気恥しいどころじゃない。ただでさえないプライドが死ぬ。やめよう。


…返事を先延ばし、かぁ。

私なりに頑張って出した答えだったのだけど、所詮待たせているのには変わりはない。それは分かっている、けど。

数年かけてさらにひねくれたこの性格に、嫌気がさした。
散々知らん振りをしたくせに、いざとなって、いっそ全部投げ出して逃げてしまいたいと、思うことを許せない。









……ずっと前から、すきだった。

意地悪な笑みに隠れた、年相応の笑顔。
人付き合いの上手さ、なにもかも受け止めてくれそうな寛大さ。

それでも私が、迷ってしまうこと。



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