【ハイキュー】マジ、女の子は顔じゃないらしいよ。 (ページ30)

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『…直感、かぁ…』

「！」

聞こえた声に、はっとしてうつむいていた顔をあげる。見ると、Aはゆっくりと目を開けた。
起きていたのか、と思うまもなく少しだけぼんやりとした目と目があって、Aは困ったようにはにかんだ。

『んじゃ、お前で』

「え？」

『…って言ったら、それでいいのかな』

面倒だし、と小さく笑ったA。そのどこか面倒くさそうに細められた瞳に思わず息を飲んだ。

ゆっくり瞼を閉じたAとすぐにまた聞こえた寝息に、さっきのは寝ぼけていたのか起きていたのかどっちなのかと困惑する。
直感？俺？なに？
タイミングがタイミングなだけに、変に探りをいれてしまいそうになる。なんて意味深なことを…！

……けど。
すーすーと寝息をたてて、今度こそ確実に眠っているAの頭をそっと撫でた。頬に触れると嫌そうに眉を寄せて身じろぎするAに笑いそうになる。

「……はは、出会った時と同じだね、」

その顰められた眉も、さっきの挑発的な笑みも。

今がもう、いい機会なのかもしれない。

伝えることすら恐れていては、何も始まらない。
もう分かっているのだから。

例え届かなくても全てが終わるわけじゃない。
次に繋げることだって、できるかもしれない。

「A」

今度はそらさないで、ちゃんと俺の目を見て聞いてよ。次はちゃんと、冗談でも保険でもない気持ちを伝えるからさ。

「好きだよ、ホント困るくらい」

だから、早く風邪なんか治してよね！

【及川徹 END】
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前の話の陰は1ミリもありません。きりっ