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私の能力は総合しても、このドッジボールという競技の中では圧倒的に守備に特化していて、攻撃には向いていない。こんな危険な試合早く終わらせたいことには変わりないが、わざと負けることが許されない以上早めにボールを取り返し、レイザーを倒すことが必須。
受け止める気で"堅"をしたゴンくんとキルアを尻目に、私は能力を発動させた。
……
私の戦闘用の能力。私の円に触れ、私が認識したものの全てを操作する。ものを浮かせたり、引き寄せたり、所謂念力である。規模や威力はその日の体のコンディションにもよるけど、円の面積を広くすればするほどものに影響させる力は弱まってしまう。
しかしたった数メートル展開した円に触れた、飛んでくるボールなんてどうとでもできる……って思ったんだけど。
次にレイザーはゴンくんに向かってボールを投げた。私は能力でそのボールの威力をかなり落とすつもりだったのだが、それでもボールを受け止めきれずコート外に吹き飛んだゴンくん。私が想像した以上にレイザーのボールは強力だった。
作ったばかりの能力だということもあり、さじ加減を把握していないのが、現時点でこの能力の最大の弱点である。硬でボールを受け止めたのにも関わらず、受け止めた額から血を流し手当を受ける彼を見て頬を引き攣った。ごめんゴンくん…。
「ボールの落下予想地点は……、レイザーチームの内野ボールで試合再開します」
ゴンくんに当たって緩い角度で跳ね返り、天井に突き刺さったボールはレイザーチームのコートの上。あれもしかしてさっき私が威力を落とさなかったらこっちのボールになってたんじゃない?しかし私が円を展開している事はともかく、能力を使っていることに気づいた人は少ないだろう。
再開した試合に、ボールを持ったレイザーが私を見てにやりと笑った。いたわ。
「変わった能力を持っているな…だが、今のはいい判断だ。何もしなければゴンはあの程度の怪我では済まなかった」
『そっすか…』
それならいいんですけど、あからさまに次はお前を狙うぞみたいな雰囲気にするのやめてくれませんかね?そんな私の想いも虚しく、完全に私を狙ってボールを投げたレイザーに恐怖を通り越して殺意がわいた。
勢いよく飛んでくるボールにキルアが避けろと叫んだ。正直めちゃくちゃ避けたいんだけど、多分これ避けたら後ろで構えてる外野がまた私を狙ってのエンドレスですわ。
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未確認歩行物体(プロフ) - たくさんのコメントありがとうございます。まとめての返信で失礼します。しばらく更新していないにも関わらずたくさんの反応を頂きとても嬉しいです!ありがとうございます! (2021年11月24日 18時) (レス) id: 859f873e93 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 読んでいく事にチートっぷりを発揮してて面白かったです!最高! (2021年7月8日 14時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
なめなめきゃんでぃ(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて読んでいてとっても楽しかったです!番外編や次回作など楽しみにしてます!できたらで良いので書いてくれると嬉しいです!素敵な作品を書いてくださりありがとうございました!!! (2021年4月8日 23時) (レス) id: ed253bb936 (このIDを非表示/違反報告)
猫神(プロフ) - とても面白かったです!蟻編楽しみにしています! (2021年1月16日 0時) (レス) id: f54e673977 (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 番外編で構いません!更新いつまでもお待ちしております! (2020年11月12日 22時) (レス) id: 0e780aa7b5 (このIDを非表示/違反報告)
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