【HUNTER×HUNTER】運命とは複雑なものである。

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ーー島を追い出されてから数日。色々と調べ事をしていたらしいクロロさんがぱたんとパソコンをとじた。


『ぐりーどあいらんど…』

「この盗ってきたジョイステーションに練を行うことで、プレイヤーは肉体・精神ともにゲーム内に引きずり込まれ、そこからゲームを開始できるらしい。恐らくあの島内に飛ばされるわけだ」

『れいざー…』

「奴はそのゲームの製作者の一人と言っていたな」

『ひそか…』

「俺が依頼した」

『報酬いらないので帰ります…』

「まあ待ちなよ◇」


とあるホテルの一室にて。
コイツと除念師を探してきてほしい、と真剣な顔をして言ったクロロさんに私は絶望していた。「や◆」と聞き覚えのある声と笑みで登場した男に目頭をおさえる。思わず部屋をでようとしたらバンジーガムを付けられて、一度だけテレポートしてそれを外すと残念そうに目を細められた。とても胃が痛いです。


『そ、そもそも私の当初の依頼内容はあなたの護送ですし。除念師の捜索は含まれていません』

「俺達の仲だろう」

『待ってなんかすごい距離が近くなってるんだけど？』


いくら昔に会っていても、今まで一緒に過ごした時間は一ヶ月もないぞ。私の言い分を完全に無視して、「つまり、僕と君は所謂ビジネスパートナーさ◆」と意味の分からんことを抜かす奇術師に脱力した。
ヒソカには自身とのタイマンを、私にはうん十億を超える報酬を出すというクロロさんは他に友達とか知り合いいないのかな…。そんな顔をすると察したのか、「実力が確かなお前達の方がより確実だろう」と真顔で言われた。解せぬ。


『……けど、除念師の捜索は個人的な問題でできません』

「…鎖野郎か？」


答えない私に、「お前は生きるのが下手だな」と息をついたクロロさん。ある意味あなたには一番言われたくないかな…。


『…だから除念師の捜索ではなく、ヒソカの付き人として彼に同行します。勿論これは私の勝手なので、報酬は受け取りません』


第一、実力も口も上手いヒソカにもう一人なんていらなそうだけど。
ここに今の私があるのは、あの日彼らが私の前に現れてくれたから。不本意な上に結果論だが、私はきっと彼に感謝している。その義理だ。それを伝えると、目を伏せたクロロさんが残念そうに笑った。


「…あの日見たお前が、こんなにも義理人情に厚いとは思わなかったな。早いうちに仲間に引き入れておくべきだった」

『あはは』


全く笑えません。



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