. ページ16
.
『悪いからいいよ私も洗う!』
「だめー!近づいたらちゅーするよ!」
『どういうこと…』
…そこまで言われたらお願いしようかな
そう思いお言葉に甘えてテレビをつけてソファに座る。チラッとめいちゃんのことをみるとなにか歌を口ずさみながら楽しそうにお皿を洗っていた。
そんな姿を見て私も悪戯心が芽生える。さっき私もされたみたいにめいちゃんのことずっと見てみよっと。
テレビをピッと消してソファの背もたれの部分に腕と顎をのせてじーっとめいちゃんのことを見る。テレビが消えたことに気づいたのかめいちゃんは私のことを見た。
「テレビ見ないのー?」
『うん』
「…そう?」
めいちゃんは心底不思議そうな顔をしたがまたお皿洗いに戻った。そして私はめいちゃんのことをじーっと見る。
…やっぱりいつ見てもかわいい顔してるよな〜、あーいまの腕まくる姿好き。
そんなことを考えながらめいちゃんのことを見ているとめいちゃんの歌がどんどんぎこちなくなってくる。どうやら私の視線に気づいているらしい。
「…A?」
『んー、どうしたのー?』
「めちゃくちゃ洗いにくいんだけど」
『まあまあ、気にしないで』
まさにさっきのめいちゃんと同じように私も適当にあしらってみる。するとめいちゃんもデジャブを感じてやり返されてることに気づいたのか、私のことを睨んだ。…私の恥ずかしさをめいちゃんも感じていると思うと少しニコニコしてしまう。
めげずにずっと見ているとめいちゃんも限界が来たのか「あーーー!」っと叫んでお皿を置いた。
「もーーーむり!!」
『えへ、めいちゃんかわいい〜』
「うるさい!もう!だめ!!まじでやめても〜〜!!」
するとキッチンから離れて私に近づきぎゅーっと抱きついてきた。耳まで真っ赤なめいちゃんがかわいくてつい『かわいい』と言ってしまうと「うるさい」とデコピンされてしまった。
『めいちゃんだって同じことしてたじゃん!』
「俺はいいの!」
そう理不尽なことを言って抱きしめる腕を強くした。めいちゃんって意外と照れ屋さんなんだよねかわいい。それを言うともっと不機嫌になってしまうと分かっていたのでただ緩む口元を抑えた。
.
564人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みるる | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/Nagisa-Aonami/?w=1
作成日時:2021年11月28日 19時