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『はぁぁぁ、研磨ぁぁ』
俺の前の席のAが、クルッと体を回してため息をつく。
孤爪「なに」
『どうしよう黒尾先輩やばい』
クロ、今回は何したんだろ。
孤爪「あ、今日朝早く来てた?」
『来てた』
孤爪「やっぱ行くと思った」
『え、研磨が言ったの?』
言ってないって言わないと面倒臭くなりそうだな。
孤爪「違うよ、クロ自分の意思で」
『黒尾先輩、私が早く来てるって聞いたって言ってたよ』
孤爪「夜久くんとかから聞いたんじゃない?」
『そっか〜』
Aがバカで助かった。
『黒尾先輩、私のことどう思ってんだろ』
孤爪「え?」
『え?』
まさかあそこまでやられて気付いてないの?
孤爪「いや、別に」
『自分でちょっとは期待しちゃってるのが悔しい…』
孤爪「何それ、クロのこと好きなんでしょ?」
『うん、好き』
孤爪「じゃあ何が悔しいの」
『だってみんなにあんなことやってるかな、って考えたら期待いちゃいけないなぁって思って』
クロはそんな誰彼構わず可愛いとか言わないと思うけどな。
クラスではどうなんだろ。
でも1つ言えることは、
孤爪「クロ、誰にでも思わせぶりなこと出来るほど器用じゃないと思うよ」
『えっ…』
ちょっと嬉しそうな顔をするA。
こんなAを好きになるクロの気持ちが少し分かった気がした。
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作者名:mi… | 作者ホームページ:I don't have.
作成日時:2020年4月17日 12時