【HQ!!】ねぇ、先輩。【黒尾鉄郎】-完- (ページ26)

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＊

『入りますか？』

黒尾「親御さんは？」

『共働きなんでまだ帰ってない時間です』

黒尾「じゃ、少しだけ失礼するわ」

初めてAの家に入った。

『部活戻るって言ってましたよね』

黒尾「まぁ猫又先生が5時半まで来ねぇからそれまでには帰ろうかな」

『わかりました、じゃあとりあえず私の部屋に…』

躊躇いも無く俺を部屋に案内するA。

部屋に入るなり無言になるAを、

俺は壁に押し付けた。

『せんぱい…』

黒尾「消毒、するんだろ」

『…はい』

恥ずかしそうに目を逸らすA。

黒尾「でもその前に」

『…？』

心臓がうるせぇ。

黒尾「お前、気付いてるのにって言ったよな」

『言いました』

黒尾「お前だって、気付いてんだろ」

『…はい』

俺たちは両想い。

そしてAは続ける。

『好きって、ちゃんと言ったら、

＿＿＿消毒じゃなくてもキスしてくれますか？』

黒尾「っ…///」

なんだよそれ、

ったく、

可愛すぎにも程があんだろ。

黒尾「毎日でもしてやる」

俺がそう言うと、

Aは背中に手を回した。

『すきですっ…！』

俺の胸の中で言ったAを、俺も抱き締め返した。

黒尾「ん、俺も好き」

『付き合って…くれますか？』

俺の目をしっかり見て言ったAは、

ちゃんと女の顔をしていた。

黒尾「たりめぇだ、ばか」

俺はAを再び壁に押し付け、

自分の唇をAの唇に重ねた。

『んっ…///』

深くなるキスに、頭ん中が溶けそうだった。

唇を離したときのAの顔に、もう押し倒したくなった。

その気持ちを押し殺し、

俺はAを抱き締めて言う。

黒尾「ちゃんとAの心の準備が出来たら、優しく抱いてやるから。今日の奴らのことはもう気にしなくていい。」

『先輩…』

真っ赤になった耳。

それにつられるように俺も顔に熱が集まった。

＊