#44 ページ44
*
『みんなが辛かったとき、うちは何も言えへんかったっ…!』
そう言って涙を垂らしたAに、胸が締め付けられた。
Aは何も悪くない。
きっと今まで負けたことを認められなかったんだと思う。
それは、最後の最後まで俺たちを信じてくれていた証拠。
そのAの思いも、俺の胸を締め付けた。
及川「Aは、最後まで俺たちを信じてくれたじゃん」
『そんなん当たり前やっ…』
及川「当たり前に言えるマネージャーがいて、幸せだよ」
涙を流すAをどうすることも出来なくて、
俺はAを抱き締めた。
『とお…る』
及川「ごめんね、」
それだけ言うと、Aは俺の背中に手を回して泣きじゃくった。
3年間分の、青春が詰まった涙だった。
こんなに泣いているAは初めてだった。
『うっ…もう、終わったんかっ…』
小さく呟いたAの声には、何も返さなかった。
返せなかった。
俺らは自分の手で終わらせた、
だけどAは、
自分の3年間を俺たちのせいで終わらせられた。
そう考えると、俺も涙が止まらなかった。
及川「俺達にっ…3年間も、尽くしてくれて…ありがとうっ…!」
Aの首筋に垂れた涙。
『徹たちに尽くせてっ…うちは最高やったで…』
俺の背中に回る手に、力が入った。
及川「ありがとうっ…」
・
・
・
・
・
Aと体育館に戻り、
及川「みんな、ちょっといい?」
マッキーの反対を押し切り、
及川「3年間、ありがとう!!!」
最後の最後の、
キャプテンとしての仕事だった。
*
181人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mi…(プロフ) - おかかのおにぎりさん» ありがとうございます!!好きと言ってもらえると嬉しいです!!新作もお楽しみにしててください!! (2020年4月20日 18時) (レス) id: 4065260f63 (このIDを非表示/違反報告)
mi…(プロフ) - 黒崎零菜さん» ありがとうございます!!好きと言ってもらえると嬉しいです!!新作もお楽しみにしててください!! (2020年4月20日 18時) (レス) id: 4065260f63 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎零菜(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったです。この作品は個人的に好きでした!新作楽しみにしています (2020年4月20日 18時) (レス) id: 943180d6d6 (このIDを非表示/違反報告)
mi…(プロフ) - おかかのおにぎりさん» ありがとうございます!!!!頑張ります!!!! (2020年4月19日 18時) (レス) id: 4065260f63 (このIDを非表示/違反報告)
おかかのおにぎり(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様でした〜!!一途な及川さん素敵でした!次作も頑張ってくださいね! (2020年4月19日 17時) (レス) id: 64b2331bfd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:mi… | 作者ホームページ:I don't have.
作成日時:2020年3月29日 2時