【HQ!!】逆向きの下心。【及川徹】-完-

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及川「で、寝坊ですかAサン」



『はい、すんません』





Aが来たのは12時過ぎ。





文化祭2日目は3時の一般公開終了時刻までに来れば良いことになっているから厳密には遅刻ではない。





しかし、





及川「俺1人でこのブースやってたんだよ！？」





Aは開始時刻の9時に来なければいけない係。




俺たちのシフトは9時から11時半だった。





『すまんの、ちっと寝坊してもうたんや』





なんて、毛先が少しハネてるのも可愛いし、


申し訳なさそうに少し下を向いてるのも可愛い。





及川「まぁ可愛いから良いけど！！！」



『ちょ、ここ教室やで！？大声で何言うとんねん！！』





うちの教室にいた女の子たちの注目が集まる。





「なに付き合ってるのかな？」



「及川くん最近あの子とばっかりいるよね」



「オキニとか？」



「えーなにそれズルい」





教室の外もザワザワし始める始末。





『これはあかん』



及川「ちょっと思ったこと出ちゃって…」



『うち消されんで？』



及川「それはもっとやばい」





でも、Aが言う通りイジメが始まるかもしれないのも事実。





俺は歯を食いしばり、





及川「ちょっと、俺の好きでAと一緒にいるんだから変な事しないでよね！！Aは別に下心とか無いから！！」



『徹…』



及川「行くよ、A」



『ちょっ…！』





そこにいるのはあまりにも恥ずかしくて教室を出た。





『嬉しいこと言ってくれるやん』



及川「女の子は何するかわからないから」



『せやけどそんなイジメに負けるような女ちゃうで？』





なんてAが笑うから、






及川「俺が嫌だもん！好きな子イジメられてるの見たくない！」



『ふはっ、イケメンやなぁ』





照れくさそうに笑ったAに、また恋をした。





＊

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