【HQ!!】逆向きの下心。【及川徹】-完-

#38 ページ38

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「及川くんたち入っていいよ〜」



『ほな行くで、徹』



及川「や、まじで？」



『か弱い女子か言うとんねん』





マッキーに後ろから押され、2人で暗闇に放り出される。






及川「怖くないの？」



『怖いわけあらへん、楽しもうや』



及川「俺よりイケメンなんだけど！！」



『やかましいねん！』





なんて、最初は少しは余裕もあった。





・





・





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及川「ぎゃあああああああ！！！」



『耳元で叫ぶなや！！』



及川「もう俺無理だあああああ！！」



『やかましいわ！！』





いきなり出てくるおばけ役の生徒に、咄嗟にAの手を取る。





『普通やったら立場逆とちゃう？』



及川「そうだけど！！」



『普通に歩きぃ！』



及川「なんでそんなスイスイ行けるの！？」





半ばAに引きずられる形で進む。





＿＿＿シュッ


俺の頭の上から霧吹きの水がワサッと降ってくる。





及川「なにいいいいい！！？」



『ちょ！徹！』





しゃがみ込んだ先にはAの生足。





Aの手と繋がれたままの左手と、



咄嗟にAの足に回してしまった右腕。





『な、なんやはよ立ち』





少し弱々しい声だった。





暗くて顔は見えないけど、



照れてる？





『はよ行くで』



及川「あ、うん」





立ち上がり、最後の直線。





＿＿＿ダッダッダッ…


後ろから追いかけてくる足音。






及川「ぎゃああああああ！！」



『いきなり走んなや！！』





Aの手を引いたまま全力疾走。





＿＿＿ガララッ


出口から飛び出した。





「え、及川くん？」



「あ、関西から来たって子と2人で入ってたの？」



「手繋いでるよ」



「付き合ってるのかな？」





そんな女の子たちの言葉で手を離す。





及川「あ、ごめんA」



『なんや今さら、足に抱きついたりしとったくせに』





少し大きめの声で言うA。





及川「A…？」



『これで変な虫は寄って来ぃひんやろっ』





歯を見せて笑ったAに、





及川「ちょっと待ってそれは反則…///」




・





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花巻「及川Aの足に抱きついたってよ」



松川「きも」

岩泉「セクハラ野郎」



及川「怖かったんだから仕方ないじゃん！」



『立場逆転しとったけどな』



及川「それも言わないお約束！！」





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