【HQ!!】逆向きの下心。【及川徹】-完-

#24 ページ24

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時刻は7時。





抜け駆けするには丁度いい時間。






及川「ねぇ、A、あの人すごくない？」





広島焼きの屋台で神業のように卵を割る人を見て俺は言った。





『ほんまや！すごいなぁ』





Aも興味津々で見ていた。





その間にも他の3人は歩いて行く。





そうそう、そのまま歩いてってよ？





及川「あれ俺もできるかな？」



『出来ひんやろ』



及川「出来るかもしれないじゃん！」



『2､3年修行したら出来るんとちゃう？』



及川「いやでも俺器用だからなぁ〜」



『自分で言うなや』





なんてちょっとした会話で時間を潰すと、





3人の後ろ姿は見えなくなっていた。





及川「あれ、あの3人は？」



『え？』





周りをキョロキョロ見回すA。





これでもう、2人きり。





『あかん、迷子や』



及川「迷子では無いね、俺もいるし」



『電話してみるか？』






なんて言い出した時に丁度Aのスマホが鳴った。





『あ、もしもし一(はじめ)？！』



『せや！』



『おん、えーっとな、』





このままじゃあの3人戻って来ちゃう。





及川「ちょっとA、借りてもいい？」



『ん、あ、ええよ。……徹に変わる！』





Aのスマホを借り、岩ちゃんに言った。





及川「ごめん岩ちゃん、ちょっと邪魔しないでね」



岩泉「は？」



及川「分かるでしょ」



岩泉「ったく、テメェは…。一線超えんなよ。」



及川「そこは大丈夫！」



岩泉「じゃあな、また連絡しろよ」



及川「はぁい」





通話ボタンを切り、Aにスマホを返す。





『邪魔って、なんや？』



及川「ううん、こっちの話、Aは気にしなくていいよ」



『さよか』



及川「岩ちゃんたち結構遠くまで行っちゃったっぽかったから、また後で合流しようねって」



『わかった！』





なんの疑いもなく俺の言葉を信じるAに少し申し訳なくなった。





だけど、





もうここまで来ちゃったからね？





A。





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