性悪王女に転生したらなぜか逆ハー状態になったんだが！？

＊9話　レオナお兄様＊ ページ9

お兄様に返信し、寮に運動着と箒を取りに行く。



着替えてからマジフト場に行くと、もう何人か集まっていた。



…エペルくんもいる。儚げな美少年だ…。めちゃくちゃ可愛い。怒らせたい。方言聞きたい。



でも、あんな美少年と話してしまったらキュン死にしてしまいそうだなぁ。



エペルくんを見てボーッとしていると、全然知らない人に話しかけられた。



「お前、唯一の女子だろ？見学が終わったら〜、俺と遊ばない？」



肩を組まれる。何この人、距離感近すぎない？



イラッとするのを抑え、にこやかに笑う。



「結構ですわ。わたくし、異性には困っていないの」



「そんなつれないこと言わずにさぁ」



こちらに近づいてくる足音が聞こえる。この匂い…間違いない、お兄様だ。



「腕、退けてもらえるかしら。じゃないと…」



「じゃないと、なんだよ」



「…お兄様。助けてくださいまし」



後ろにお兄様が来たのを確認し、助けを求める。



お兄様は肩に置かれた腕を掴むと、唸った。



「Aに手を出すんじゃねぇよ」



「ひ、ひぃっ。ご、ごめんなさい！」



その人は尻尾を丸めて逃げていった。



さすがお兄様だわ。頼りになる。



「ありがとうございます。お兄様のおかげで私はか弱い女の子を演じられますわ」



「あぁ、お前はか弱いとは程遠いからな」



お兄様は優しく微笑み私の頭を撫でる。あぁ、もう、本当に顔がいいんだから…！



レオナさんの妹で良かった！



喜びから尻尾が自然と動くのを感じていると、ラギーくんが近づいてきた。大きな耳、垂れた瞳…私より少し高い背に、細い体…



はわわぁ…本物だ…本物のラギーくんだ…可愛すぎる…耳触りたい。尻尾も心ゆくまで触らせてくれ。

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