＊22話 異国の料理＊ ページ22
ラギー先輩と話すのが楽しくて、サバナクローまでの道のりがほんの一瞬に感じられた。
キッチンにお米を置いてもらう。
「これ、どうするんスか？…まさか、アンタが作るんスか？」
「えぇ、そうですわ」
鍋の準備をしながらそう言えば、ラギー先輩は目を丸くする。
「料理したことあるんスか？」
「ありませんわ」
今世では、ね。
「ないのに作るんスか！？」
「ないからこそ作るのですわ。
…言ったでしょう？身分を捨てたとしても生きていけるようにすると」
「…ふぅん。本気なんだ」
調理を開始する。今世では初めて握る包丁に、懐かしい気持ちが蘇る。
前世では1人暮らしをしていたから、それなりに料理はしたものだ。
前世ほどとはいかないが、ゆっくりと食材を切っていく。
…めちゃくちゃ視線を感じる。顔を上げると、ラギー先輩がこちらをじっと見ていた。
「み、見られると作りにくいですわ…」
「Aくんがどんな料理を作るのかと思って。何も見ずに作れるんスか？」
「…えぇ。レシピは頭に入っていますの」
頭に入っているというか、記憶に染み込んでいるというか…。
ただ、鍋でご飯を炊くのは前世では数回しかしたことがない。上手くできるだろうか。
コンロを全て使って調理をしていく。
醤油や味噌の匂いに、お腹が鳴る。あぁ、早く食べたい…。
それにしても、少し作りすぎたかもしれない。
「あの、ラギー先輩。作りすぎたので一緒にいかがですか？お兄様も呼んで」
「え、あぁ…良いんスか？」
「えぇ。お米運ぶの手伝っていただきましたし」
彼は鍋の中を覗き込む。
「美味そう…だけど、こんな料理見たことないッス。アンタ、どこで作り方知ったんスか？」
「え…。う、うーん…えーっと…」
灰色がかった青色の瞳にじっと見つめられてしまえば言葉に詰まる。
前世で、なんて言えるわけがない。
目を逸らす。額に汗が滲む。
「…む、昔読んでいた本に載っていたのですわ。異国の本、で…」
無理があるだろうか。異国の本なんて読んだこともない。そこに詳しいレシピなんて載っているはずがないし。
チラッとラギー先輩の方を見れば、
「…へぇ」
疑いの目を向けられる。そうだよね、賢いラギー先輩ならこんな嘘に騙されるはずがないよね。
でも、本当のことは言えない。ラギー先輩でも、お兄様でも。
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奥山乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！出来たら全員のキャラ（先生たちや他の学校の生徒たちにも）に愛されたいです！（恋愛的に）あと落ちは出来れば全員落ちみたいなのが見てみたいです！無理せずに頑張ってくださいね！ (2022年11月26日 16時) (
レス) @page13 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
ami☆(プロフ) - あいさん» コピペして検索する形になるので、自衛もしやすいかと思いますが、大丈夫でしょうか？ ご丁寧に教えてくださり、ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願い致します。 (2020年8月10日 19時) (レス) id: 8fb5979ada (このIDを非表示/違反報告)
ami☆(プロフ) - あいさん» 貴重なご意見をありがとうございます。配慮が足りず、本当に申し訳ありませんでした。小説内に挿入することは今のところかんがえておりません。ですので、リンクを踏んでもらった先で見てもらう形にしました。 (2020年8月10日 19時) (レス) id: 8fb5979ada (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 申し訳ございません。１つのご意見として見ていただければ幸いです。長文、意見失礼しました。 (2020年8月10日 18時) (レス) id: 55fdaaea2c (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - えてしまい少し小説を読む事が苦手になってしまって…。本当に素敵なイラストで砂時計様にも失礼になってしまうのではと考えましたが私のようにイメ画が苦手な方もいらっしゃるので表紙ではなく小説の中でなら自衛しやすいんです。本当にこんなコメントを送ってしまい (2020年8月10日 18時) (レス) id: 55fdaaea2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami☆
| 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/ami22665020?p=s
作成日時：2020年8月1日 16時
