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「どうしたの?」
「うおわああああぁぁ!!!??」
三人は思わず叫び声を上げてそこから飛びずさった。銀時に至っては驚きすぎて階段から転げ落ちる。
声の張本人であるAは不思議そうな表情で小首を傾げている。その足元には一匹の黒猫が。
「お、おお、お前、どこにいたんだよ!!?」
よろよろとした足取りで銀時が境内に入る。その表情はげっそりしていた。
月明かりだけで照らされたAの表情は読めなかったが、三人の用事が分かったらしい、銀時の質問には答えず、高杉と桂の間を通り銀時の横を通って階段を下りる。
待てよ、とAを追いかけた高杉は、階段から自分を見上げるAの表情にどきりとした。
――じ、とこちらを射抜く瞳。
まるで猫みたいだ。
「お腹、空いた」
そう言って先に階段を降り始めたAに銀時が怒鳴る。「マイペースめ!!」
呆れながらも桂と銀時は走ってその後を追う。高杉は茫然と三人の後姿を見ていた。
――――Aはね、人の心を見透かすような眼をしてるんですよ
松陽の言葉を思い出す。
初めて会った時も、役人を追い払った時も、さっきも、あの縹色は動き一つを見逃さぬような眼をしていた。
「おい、なにしてんだよ高杉! 置いてくぞ!」
「悪ィ、今行く!!」
高杉の後ろで、猫が短く鳴いた。
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ルアルア(プロフ) - 無影灯さん» コメントありがとうございます!更新が遅くお待たせしてしまうことも多いかと思いますが、これからも応援していただけると嬉しいです! (2020年3月29日 17時) (レス) id: 013413cedf (このIDを非表示/違反報告)
無影灯(プロフ) - 見入っちゃいました…とても素敵なお話でした!更新応援してます! (2020年3月23日 21時) (レス) id: 26d889b496 (このIDを非表示/違反報告)
ルアルア(プロフ) - 神月さん» コメントありがとうございます!ありがたいお言葉本当に感謝します...相変わらずの低浮上ですが、読者様のお言葉を励みに頑張ってまいります!! (2018年8月30日 10時) (レス) id: 61b26fbf84 (このIDを非表示/違反報告)
神月(プロフ) - 読み応えがすごくあります!次の話がとても気になります!面白いです!作者様のペースで、更新頑張ってくださいね。応援してます! (2018年8月27日 6時) (レス) id: 52a5891399 (このIDを非表示/違反報告)
ルアルア(プロフ) - ginさん» コメントありがとうございます! 更新は相変わらず遅いですが、面白いと思っていただけるような作品を目指して頑張って行きます! (2018年7月8日 9時) (レス) id: 013413cedf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルアルア | 作成日時:2018年4月7日 3時