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治「Aさんはおにぎりの具、何が好きなん?」
おにぎりをもぐもぐしながら尋ねてくる治さん
『えっ…と、鮭とか、昆布が好きです…』
下を向きがちに答えると、目の前におにぎりが差し出された
治「これ、多分昆布やから、食べてええよ」
『あっ…ありがとうございます…』
そう言い、もらったおにぎりにかぶりつく
昆布独特の味が口の中に広がって自然と顔が綻ぶ
しばらくもぐもぐしていると
治「うまい?」
と顔を覗いてきた
『!はい!美味しいです!』
と笑って答えると
治「よかったー」
と治さんも笑ってくれた
その笑顔に胸がドクンと鳴る
やっぱり双子だから、顔が似ているわけだし、笑った顔も似ているわけだし…
治「Aさんは、ツムが好きなんよな?」
『へっ!?あっえ、な、なん…で』
治「見てたらバレバレやで、今朝のも俺がツムやと思ったから逃げたんやろ?」
朝の…なんか食いもん持ってませんか?って聞いてきた人…あっあれが治さんか…
『そ…うですね…朝はすみませんでした…』
治「大丈夫、俺もいろいろあかんかったから」
『い、いえいえ…』
治「ツムは顔だけやから、やなことあったら俺に何でも言ってくれて構わへんから」
『!、はい、ありがとうございます!』
そう言うと、空になった皿を持って立ち上がり、おにぎり屋の方へ歩いて行った
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作者名:恵舞 | 作成日時:2020年5月29日 18時