23 - 5 春隣 ページ34
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「あらやだ、今一番会いたくなかった」
「酷いな
嵐こそ、なんでこんなところにいるの？」
笑ったAは鞄を後ろで持って、何故かこんな時間になっても学校の屋上なんかに立っている。
「アタシは、しみじみとしてたのよ
明日、Aセンパイや泉ちゃん、レオくんは卒業しちゃうんだなーって思って」
「そりゃあ、卒業式だからね
永遠に続く時間なんてないよ」
その言葉に、きょとんとした嵐に、Aはやはり笑う。
「…『それをお前が言うか』って顔だね」
「ちょっとォ、悪意ある言い方しないでちょうだい」
くすくすと、静かに笑いあってから
Aは改まって、ぽつりぽつりと話し始めた。
「私、繰り返してるのはわかるけど
繰り返している方法はさっぱりわからない
そこだけ綺麗に記憶がないの、不思議だよね」
「…、」
それは貴女が屋上から落ちているから
なんて、口が裂けても嵐には言えなかった。
黙った嵐にAは、
まあ、想像はつくけどね
と、冗談めかして笑う。
「だから、毎回毎回私は明日だけが、何が起こるのかわからない
時間は、朝なのか、卒業式の最中なのか、帰りなのか、夜なのか
繰り返しのきっかけは、寝ることなのか、何らかのスイッチなのか、…それとも、死ぬことなのか」
躊躇いもなく例を並べ立てるAに対し、嵐は”死”という単語にだけぴくりと肩を揺らせる。
Aも、その反応に気付いていないわけではなかった。
「……
やっぱり、最初から我が儘な願いなんか持たない方が良かったのかもとか
…まあ、君達は私の願いをひとつ残らず叶えてくれて、文句のひとつもありゃしないんだけどね」
1歩、また1歩とfenceに近付いていくAの手を、突然嵐が掴んだ。
「わっ」
「…あ」
掴まれたAも、掴んだ嵐も、お互いに驚いたような顔を突き合わせる。
「…え、なに、その顔？」
「…え、いや、こんなつもりはなかったんだけどねェ」
ゆっくりと手を離した嵐は、苦笑いで手招きをする。
対してAは、その手招きに素直に応じて。
「…アタシ、やっぱりあんたが好きで
そんなあんたに、憧れてるの」
そんな気がする
そう、照れ笑いをする嵐。
「だからこその、明日なのよ」
だから、ね
そう頬を指先でつつかれたAは、戸惑いつつ困ったような笑みで首を傾げた。
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まひる(プロフ) - 雪羅さん» 時間なんて気にしません！！←ありがとうございます｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡自分勝手な妄想ばかりですがそう言っていただけると凄く嬉しいです(人*´∀｀)他の妄想にもお付き合いいただけると嬉しいです〜(*´∇｀)ﾉ (2020年9月23日 19時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 今更ですが完結おめでとうございます！漫画化、アニメ化してほしいほどまとまっていてワクワクするストーリー、とてもすごかったです。これからもまひる様のお話を楽しみにしてます！ (2020年9月23日 8時) (レス) id: 97af87c013 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - Mashiro Lioさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました！普通のところとシリアスのところの対比が上手く伝わったようで良かったです(*’ｰ’*)ﾉまた、地の文に多少英語があるのは、この第４章の視点が司くんの為、和製英語等は英語表記、ということです(*´-`) (2020年8月17日 8時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - 無気力のおにぎりさん» 最後までありがとうございました！他の作品も徐々に進めますね｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ご期待に添えるよう頑張ります(人*´∀｀) (2020年8月17日 8時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - 完結おめでとうございます！｢シナリオ『spring』へ戻る。｣というのが、わかってはいつつも何だかひんやりした感じを受けて、本編との対比が……。最後は無事｢ズ！！｣に移行できたということですかね。ところで最後の方、地の文に英語が増えたのは、なぜでしょうか？ (2020年8月17日 7時) (レス) id: 97626e8ffb (このIDを非表示/違反報告)
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