22 - 2 ひととせ ちとせ ページ24
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他に誰もいない教室の後方で、床に直に座る『王』に向かって尋ねた。
彼の下には、真っ白い紙やら五線譜の紙やらが絨毯の如く広がっていた。
「手帳に″それ″は書いていなかったのですね」
「そりゃ、これは『1周目』だしな
これで頼りになるのは、あいつの本当の気持ちを知ることができる、そんだけ
……まあ、これがあったから今まであーした行動もとってみたわけだけど」
赤い表紙の手帳を弄びながらそう言うレオに、少々やるせなさを感じた。
これは自分の未熟さが招いたことでもあるけれど。
「…leaderはどうなさるおつもりですか
これまでの行動が意味を成さなかった為に、あとは3月31日までをのうのうと暮らしていくとでも？」
自然と刺々しくなった言葉も、この方の目の前では軽い笑顔に宥められる。
レオはけたけたと笑って『まさか』と告げた。
「そんなわけないだろ
そんなの戦線放棄だ、決戦への猶予があるならその分武器を調達する、磨く
己の武術を極める、することはたくさんあるんだよ」
笑っていたかと思えば、急に口をヘの字に曲げて乱雑にペンを紙へと走らせる。
乱雑に反して、描いている曲は静かなBallade調らしい。
「だからスオーと喋ってる時間はないっ
いつまでも『王』に頼って指示を請うようじゃ腑抜けだ！何が『次期王さま』だ！
己の信じることをやれ！それが騎士だろうが！」
言っていることは正しいが、その見た目はもはや誰が見ても、問題児や奇人変人と疑わない。
呆れてため息をついている間に、音符は次々と五線譜に並べ立てられ整列していく。
最初はどうもいけすかないと思っていたが、慣れとは恐ろしいもので、それを許容している自分がいる。
あっという間に出会って、あっという間に終わるのだ。
1年とは、青春とは、そういうものだ。
楽しい時間こそ、あっという間に終わる。
それを、私はよく理解しているはずだった。
「…あ、霊感を書き留めるのに必死で忘れてた
おれ、レイとか殴ってくるんだった」
「殴っ…！？」
そう不穏な言葉を口にして、レオは平然とした顔で教室を出ていこうとする。
「隠されてたのの腹癒せ
それと、情報収集。あいつらはまだ吐けるっていうのがわかったし
スオーも自分が信じることしとけよ
この記憶があるうちに」
去った背中に、私は小さく呟いた。
「…消させるわけないじゃないですか」
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まひる(プロフ) - 雪羅さん» 時間なんて気にしません！！←ありがとうございます｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡自分勝手な妄想ばかりですがそう言っていただけると凄く嬉しいです(人*´∀｀)他の妄想にもお付き合いいただけると嬉しいです〜(*´∇｀)ﾉ (2020年9月23日 19時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 今更ですが完結おめでとうございます！漫画化、アニメ化してほしいほどまとまっていてワクワクするストーリー、とてもすごかったです。これからもまひる様のお話を楽しみにしてます！ (2020年9月23日 8時) (レス) id: 97af87c013 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - Mashiro Lioさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました！普通のところとシリアスのところの対比が上手く伝わったようで良かったです(*’ｰ’*)ﾉまた、地の文に多少英語があるのは、この第４章の視点が司くんの為、和製英語等は英語表記、ということです(*´-`) (2020年8月17日 8時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - 無気力のおにぎりさん» 最後までありがとうございました！他の作品も徐々に進めますね｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ご期待に添えるよう頑張ります(人*´∀｀) (2020年8月17日 8時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - 完結おめでとうございます！｢シナリオ『spring』へ戻る。｣というのが、わかってはいつつも何だかひんやりした感じを受けて、本編との対比が……。最後は無事｢ズ！！｣に移行できたということですかね。ところで最後の方、地の文に英語が増えたのは、なぜでしょうか？ (2020年8月17日 7時) (レス) id: 97626e8ffb (このIDを非表示/違反報告)
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