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今から会うのはかなりやばい奴だから。と言われて帰されたA。


「それにしてもココくん、お金渡しすぎ…」

Aは九井に、帰りの電車代と、迷惑料だとか謝礼金だとかで大金を渡されていた。

『危ないからタクシー拾って帰れよー』
『ココの言うこと聞けよ。またな、A』



「…2人とも久しぶりだったけど、相変わらずで安心したなあ」



その時、後ろからAの肩にぐるりと腕が回される。









「こんな時間に何でA1人?」

「………イザナくん」

「そんな警戒すんなよ、今日は伝えたいことがあって来ただけだ」

しかしイザナはAの肩に回した腕の力を弱めず、Aはがっしりとイザナにホールドされている。



「俺、あの施設出るんだ」
「っえ、なんで!?」


イザナがあの施設を出る。2人の出会いの場、思い出の地であるあの施設。



「やりてェことが見つかった。そっちに専念したい」
「…それは、良かったねえ」

にこり、本心からそう告げるA。


「おう。王国作るって夢」
「王国かあ、なんて名前の?」





「天竺」


「俺が立派な天竺の王になれたら、A迎えに行くから待っててよ」

「Aを天竺のお姫様にしてやる」

な?と、穏やかな表情で笑うイザナ。
Aは久しぶりにこの笑い方のイザナを見たな、と嬉しく思う。



『俺が王様で、Aがお姫様な!』


幼い頃、あの施設で交わした会話を思い出し、Aはイザナに笑顔で頷いた。



「うん。イザナくん、頑張ってね。A待ってるから」

「…ちゃんと、待っとけよ」
「俺、暫くAに会いに来れねェから」

さらりと言うイザナに、目を丸くし驚いたAはイザナへ詰め寄った。


「な、なんで?Aのこと嫌いになったから…?」
「違ェよ、俺Aのこと嫌いになる筈ねぇし」


「言っただろ、天竺作ンのに忙しくなる。そんな顔すんなよ、いつか迎えに行くって」


じゃあ、またな。


そう言い残してイザナは夜へと紛れて消えた。

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まる(プロフ) - 律さん» ご指摘ありがとうございます。訂正いたしました。 (2022年4月10日 23時) (レス) id: da53087094 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - YUKIさん» よかったです…!続編もよろしくお願いします。 (2022年4月10日 23時) (レス) id: da53087094 (このIDを非表示/違反報告)
- 90話が2つあります (2022年3月24日 14時) (レス) id: 9309c00326 (このIDを非表示/違反報告)
YUKI - 見るのが初めてだったのでよかったです。 (2022年3月1日 17時) (レス) @page32 id: 4941e1735c (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 芹奈さん» 遅くなり申し訳ございません。ご指摘ありがとうございます。訂正致しましたので良ければご確認ください。 (2022年2月3日 1時) (レス) @page16 id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まる | 作成日時:2021年9月21日 17時

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