【歌い手】僕がきみにプロポーズする5つの理由【短編集】 (ページ4)

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I promice you. from 天月-あまつき- ページ4

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ほんっとに、この子はもう、俺が歌うような女の子とか恋愛とかとは程遠くて、儚さとか、そういうものは一切ないけど、なんとなく、壊れそうだと思ったから。

ガサツで、女の子らしさなんてかけらもないけど、ときどき見せる表情がすっごく危なっかしくて、吸い寄せられて。
ほかに可愛い子なんてたくさんいるはずなのに、それよりも頭から離れない、伏し目がちな表情なんてほかになかったから。

指先が震えて、唇から漏れる息が少し荒くって、家のドアを開けるだけなのに、目があんなにも潤んでいたから。

空に星と月が輝く頃には、もう、確証のない「またあしたね」をしたあとだったから。

これ以上、傷ついてくのを見ないままでいたら、俺の大切なひとが、ぼろぼろになって、ばらばらになって、触ったり、また風が吹いたりしたら壊れそうだったから。

これからは、自分の細い腕で、必死に自分を守ろうとしないでいいんだよ。今まで頑張ってきたのはわかってるから。その腕が回る場所を、自分の膝の裏から、少し変えるだけでいい。

「君が抱えてきたもの、僕にもちょっと持たせてよ」

誰にも言えない秘密なら、言わなくていい。ただ、君の立って歩く、支えにならせて。