真実 39 ページ39
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『俺だってわかってたさ……
俺の片想いだったのも、Aが俺から離れたがっていたのも、全部……
でもまたそれを考える度に、Aが本当に離れて行ってしまうんじゃねェかって……
Aが俺から離れて行かねェようにするには、縛っておくしかなかったんだよ……
俺は、俺から全てを奪う手前が
この世で2番目に殺してェ相手だ』
「そうかい
なら、殺してみ給えよ
────……中也にできるのならね」
此奴は俺がどうしたって適わねェのを知っている
それが更に俺を腹立たせる
けど違う
俺は、手前を殺せねェから
直接手を下せねェから
それでも俺は手前を殺す
「な、何で……いつから、気づいてたの……?!
私は、完璧だった、はずなのに……」
ああ、そうか
此奴も此奴で自分に自惚れているだけだったか
結局俺から目が覚めたか
覚まさなければ、こんな事にはならなかったかもしれなかったのに
『何時から……?
ンなの、初めから分かってた』
怯えている手前が心の底から愛おしい
俺に縛られ続けていた鳥だったのに、いつの間にか青鯖に羽まで作ってもらいやがって
『だから
もう、いいんだよ』
・
何だ、そうか
やっぱり私、中也の事好きじゃなくて
もう随分前に自分を隠してたんだ
思い出したよ、貴方にされてきた暴力も束縛も全部
私も夢を見ていただけだったんだ
貴方の望む人間になれたら、貴方もきっと私をこんな愛し方しないんじゃないかと
『もう、いい……?』
「嗚呼
もう俺は、手前を縛らねェ」
「中也……?
一体どういう心境の変化なんだい……?
私にはさっぱり分からない」
さっきまでの弱々しい態度がまるで嘘のように、力強く私を見つめる
何に自信を持ったか知らないが、泣きそうだった顔もすっかり消えている
「太宰と居て、幸せだったンだろ?
中原よりも、太宰の苗字が欲しかったンだろ?
結局、手前を堕とすには俺には不可能だっただけなンだ」
淡々と私を見つめて、機械のように話し出す
そんな中也は今までで一番恐ろしく、とても普通ではなかった
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茉耶 - 最近あひゃこさんの夢小説ばっかり見ていつも泣いてます!毎回いい作品をありがとうございます!!また太宰さんの小説書いて欲しいです! (2019年8月11日 16時) (レス) id: 2037e6e45f (このIDを非表示/違反報告)
−こま−(プロフ) - 太宰さんんんんん!!かっこいいーー!!!好きですううう!作者さんも、太宰さんも愛してます← (2018年11月22日 20時) (レス) id: 43a4a6fc1b (このIDを非表示/違反報告)
長月冬麻(プロフ) - すっっっごい面白かったです!ヤンデレ文豪さん、ほわぁ…真逆中也さんがあんなことをしていたなんて、さいっっっこうのドンデン返しでしたっ!私あんまり死落ちのヤンデレさん好きではないんですけど、すっっっごい面白くて、好き以外に選択肢がなかったです。 (2018年7月28日 19時) (レス) id: 0ab6a974b3 (このIDを非表示/違反報告)
あひゃこ(プロフ) - かしさん» コメントありがとうございます! いつも死ぬ時は大体途切らせちゃってるのでわかりずらいんですよね(><)すみませんm(_ _)m 閲覧ありがとうございます! (2018年6月19日 21時) (レス) id: 782bc5610f (このIDを非表示/違反報告)
かし(プロフ) - 物凄く面白かったです!最後に夢主の回想が途切れた時はえ?あれ?タブレット壊れた?と思いましたが、そう言うことだったんですね! (2018年6月19日 17時) (レス) id: 5b825520a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:私です x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2018年3月27日 11時