悲嘘 30 ページ30
・
『はい
存じ上げています』
「なら話が早い。
マフィア本部から東にある港に彼女がいる
そこでだ、君に仕事がある」
僕も、探していた
中原さんが大焦りして、共に必死に探し回っていた
マフィアの情報員でさえ、行方の特定には時間がかかると言っていた
それなのに
太宰さんは既に彼女の居所を掴んでいる
どう探ったのかは確かではないが、太宰さんならば容易い事
『はい』
「────…
彼女を生きたまま捕らえ、指定した場所へ運べ」
・
目が覚めたのかわからない
座ったまま寝ていたから体制も座ったままだとはわかる
こうして適切に思考もできているのに、目の前が暗いままだ
おまけに手足まで動かない
動かないというよりも、動かせない
何かに、縛られている…?
『あ…芥川君…?』
返事は返ってこない
真逆、芥川君に閉じ込められた?
でもなんで?
逃亡した太宰さんと一緒にいたから?
『ねえ…誰か…いないの…?』
パキッ…────────
すぐ近くで床が軋んだ
この部屋に
私以外の誰かがいる
何も見えず、体も動かず、
どこから何が飛んでくるかわからない
ナイフや銃弾かもしれない
ここで死ぬかもしれないのに
『誰…誰なの…!!!』
五感を研ぎ澄ませば、なんとなく分かる
人の気配
私はこの香りを知っている
中也でない、これは…────
─────「捕まえた」
私の一番嫌う香り
肩に伝わる生暖かい人の感触
甘い吐息がどうしようもなく気持ち悪くて
それよりも怖くて震えて
怖がれば怖がる程、彼の思う壷になる事はわかっているのに
「ふふ」
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茉耶 - 最近あひゃこさんの夢小説ばっかり見ていつも泣いてます!毎回いい作品をありがとうございます!!また太宰さんの小説書いて欲しいです! (2019年8月11日 16時) (レス) id: 2037e6e45f (このIDを非表示/違反報告)
−こま−(プロフ) - 太宰さんんんんん!!かっこいいーー!!!好きですううう!作者さんも、太宰さんも愛してます← (2018年11月22日 20時) (レス) id: 43a4a6fc1b (このIDを非表示/違反報告)
長月冬麻(プロフ) - すっっっごい面白かったです!ヤンデレ文豪さん、ほわぁ…真逆中也さんがあんなことをしていたなんて、さいっっっこうのドンデン返しでしたっ!私あんまり死落ちのヤンデレさん好きではないんですけど、すっっっごい面白くて、好き以外に選択肢がなかったです。 (2018年7月28日 19時) (レス) id: 0ab6a974b3 (このIDを非表示/違反報告)
あひゃこ(プロフ) - かしさん» コメントありがとうございます! いつも死ぬ時は大体途切らせちゃってるのでわかりずらいんですよね(><)すみませんm(_ _)m 閲覧ありがとうございます! (2018年6月19日 21時) (レス) id: 782bc5610f (このIDを非表示/違反報告)
かし(プロフ) - 物凄く面白かったです!最後に夢主の回想が途切れた時はえ?あれ?タブレット壊れた?と思いましたが、そう言うことだったんですね! (2018年6月19日 17時) (レス) id: 5b825520a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:私です x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2018年3月27日 11時