某探偵社員、宮城へ。2

任務７３ ページ44

.





その後。



及川さんたちを谷崎くんに任せ、襲ってきた男たちを片付け一ノ瀬を拘束。



太宰に、《一ノ瀬はそのまま捕獲して聞き込みするから宜しくね》と言われたため睡眠薬で眠らせておいた。




おそらく3時間は起きないだろう。なんたってマフィア仕込みの睡眠薬だからね。



それにしても…







『及川さんだけじゃなく私も目的だったとは…道理で警備が薄いわけだ』



外のセキュリティが乏しかった理由。


私がこの屋敷に入れなかったりなんかしたら元も子もないからね。








「「A！/Aちゃん！/有栖川！」」




戦いが終わるとすぐに駆け寄ってくる4人。



「心配したんだからね！！」



涙ぐむ及川さん。そもそも君を助けに来たんですが？と心の中で突っ込む。


自分の心配を先ずしろって少し思う。



他の3人も同じだ。


私より及川さんの方が、と言うと揃って『こいつはもういい。元気そうだから』なんて。



及川さん泣いてたけど。









『まあとりあえず、無事及川さんを取り戻したんで戻りましょう』




みんなは安心したようにその場から踵を返した。



私は一ノ瀬を抱えながら伸びている男たちを眺める。









『やっぱりこいつら…』









私のつぶやきは誰にも聞かれず消えていく。




男のポケットに入っていた1枚の紙。




それは私たちに襲いかかる




新たな問題の予兆であった────────

任務７４→←任務７２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す