某探偵社員、宮城へ。2

任務６８ ページ37

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「にしても薄気味悪いな、ここ…」




花巻さんが寒そうに腕をさすりながらそう呟いた。



扉の先はコンクリート造りになっていて、四方がコンクリートに包まれているせいか、ひんやりとした空気が頬を掠った。





「にしてもさあ、さっきのAのあれ、なに？」



松川さんが私に問う。





『松川さんと花巻さんに見せるのははじめてでしたっけ。あれは異能力というものです。探偵社は、異能力を持った人ばかりですから』




「すげえな…」





「俺たちが合宿の時に見たあれとは違うの？」



及川さんが不思議そうな顔をする。




『私の異能力は、血を操ることの他に身体能力と視力を最大まであげることが出来るんです』




「へえ…」









「ねえ、もっとAちゃんの話聞きたい！！」




不意に、及川さんが興奮したようにそう言った




『え？』



「俺も聞きたい！戦いの話とか！」



花巻さんも続けて言う。




『そうですねえ…』





異能力を持たない一般人からしてみれば、あれはかなり興味深いようで、4人とも目を輝かせながら私の話を聞いていた。




自分の事を話すのはあまり好きではないけれど、嫌な気分ではなかった。



彼らと話すのは嫌いじゃない。むしろ楽しいくらいだ。








……まあ、こんな状況で話す内容ではなかったけれど。









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